Gerd AltmannによるPixabayからの画像
防衛省がAI(人工知能)の技術を使い、SNSで国内世論を誘導する工作の研究に着手していたことが分かった。
研究の主眼は、インターネット上でとくに影響力ある「インフルエンサー」が、無意識のうちに防衛省に有利な情報を発信するように仕向け、防衛政策への支持を広げたり、有事の際に特定国への敵対心を醸成させたり、国民の反戦・厭戦の機運を払拭したりする、ネット空間におけるトレンドづくりを目標とするもの1。
一方、防衛省は、「AI技術を使って国内世論を誘導する工作の研究に着手した」などとする一部報道について、
「全くの事実誤認であり、防衛省として、国内世論を特定の方向に誘導することを目的とした取り組みを行うことはありえない」
と明確に否定、
そのうえで、
「厳しさを増す安全保障環境やIT技術を含む技術革新の急速な進展等に伴い、認知領域を含めて、これまでの戦い方の抜本的変化に対応していくことが重要となる中、防衛省としては、情報戦対応も含め、必要な体制整備を適切に実施していく」
とした。
憲法に抵触? 日本も「ゲームチェンジャー」図る
今年4月、SNSを使った発信の真偽や意図を分析し、フェイクニュースによる世論誘導を防ぐ役割を担う「グローバル戦略情報官」が防衛省に新設。