【リライト】【有料記事】映画版「鬼滅の刃」歴代興行収入1位の影で危惧される日本映画界の未来 ~2~ 東宝一強体制の理由 しかし国際市場では通用せず

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東宝一強体制の理由

 日本公開の映画のうち邦画作品のなかで、歴代興行収入トップ50位のうち、ほぼすべてを東宝作品が占めている。なぜ、このようなことが起こってしまったのか。

 時代は少し遡るが、2016年のカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門審査賞を受賞している深田晃司監督は、この年の「キネマ旬報」10月下旬において興味深い発言をしている。

 「日本映画の興行収入はだいたい年間一千億円程度を推移している。そのおよそ八割が東宝・東映・松竹といった大手三社に占められている現状がある。特に東宝のシェアは圧倒的で、今も「シン・ゴジラ」(16)や「君の名は。」(16)が大ヒット中であるが、ここ数年の日本映画の興行収益ランキングを見ると、毎年目を疑うほどの割合で東宝が埋め尽くしている。
 
 例えば二〇一五年の邦画の興行収益のランキングを見ると、一位から五位までがすべて東宝で、その後六位に東映、八位に松竹がかろうじて入るが、それ以外二十位まですべて東宝作品である」
 
 「この状況は客観的にみても異常ではないか。もちろんそこに東宝の企業努力、作品の力がまったく無関係であるとは言わないが、しかしこの圧倒的なシェアを生み出すのに、東宝が誇る「国内最強の興行網」たるTOHOシネマズを擁する構造的優位は当然無関係ではない。」

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邦画大手3社(東宝、東映、松竹)で全体の興行収入の85%のシェアを奪い合う

 日本における映画業界の売り上高とそれを占めるシェア(2019年~2020年)の数字を見てみると、1位の東宝の売上高は2,627億円で、そのシェアは32.9%程度であり、ただ単純にこの数字だけを見ると「東宝1強体制」とはあまり見えてこない。