【本日のニュース】11月13日(木) トランプ演説の不適切編集、英BBCが揺れる 日本メディアへの教訓提示

テレビ
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Gerd AltmannによるPixabayからの画像

 英国公共放送BBCで発生したトランプ大統領演説の恣意(しい)的編集問題は、現代のジャーナリズムが抱える構造的課題を示した。2025年11月9日、ティム・デイビー会長とニュース部門トップのデボラ・ターネス氏が相次いで辞任した1。この辞任は単なる編集ミスという技術的側面を超え、公共放送の中立性と編集権の独立を揺るがす深刻な問題でもある。

〇詳細を以下(有料)で読むことができます。

要約

11月9日、BBCでトランプ大統領の演説を恣意的に編集した問題を受け、会長のティム・デイビー氏とニュース部門トップのデボラ・ターネス氏が辞任した。この問題では、2021年1月6日のトランプ氏の演説の「議会に向かう」と「戦う」という発言が連続して放送され、平和的行進の呼びかけは削除されており、視聴者に襲撃扇動の印象を与えた。日本のテレビでも切り取り編集は長年指摘されるが、経営トップ辞任に至ることは稀で、組織的な再発防止策も十分ではない。

記事のポイント

  • BBCの「パノラマ」でのトランプ演説編集が、文脈を無視して議会襲撃を扇動したように見せた問題が発覚し、トップ2人が辞任。
  • 問題は単なる編集ミスではなく、公共放送の中立性と編集権の独立を揺るがす構造的課題を示す。
  • 日本でも切り取り編集は常態化しているが、経営トップ辞任には至らず、組織的検証や再発防止策は不十分。

Summary

On November 9, following the BBC’s controversial editing of President Trump’s speech, Chairman Tim Davie and Head of News Deborah Turness both resigned. In this incident, Trump’s statements “heading toward Congress” and “fighting” from his January 6, 2021 speech were broadcast in consecutive order, while the peaceful march call was omitted, creating the impression of inciting violence. While cut-and-paste editing has long been a concern in Japanese television, cases leading to top management resignations are rare, and organizational measures to prevent recurrence remain insufficient.

ジャーナリズムにおける編集の原則:真実性、公平性、透明性

  • 真実性:事実を忠実に再現し、存在しない情報を追加しない。編集は視聴者を欺かず、手法・動機を透明化する。
  • 公平性:多様な視点を公平に扱うが、中立=均等扱いではない。誤ったバランスを避け、倫理的判断が不可欠。
  • 透明性:編集過程や意図を公開し説明可能であること。編集の自由には責任が伴い、恣意的な編集は禁止される。
  • 説明責任:視聴者に誠実であり、編集意図を明確にする。恣意的切り取りは信頼を損なうため厳禁。
  • 編集のバランス:事実の正確性・透明性・公平性を総合的に守る。これらを欠く編集は倫理違反で、社会的混乱を招き得る。

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