Steve BuissinneによるPixabayからの画像
アフリカ北東部の国スーダンの長引く戦闘は、我々にも大きな影響をもたらすかもしれない。同国が、炭酸飲料の主原料であるアラビアガムの最も重要な原産国であるからだ。
アラビアガムは、炭酸飲料からキャンディー、化粧品にいたるまで、さまざまな商品の原料として使われている。ただ、アラビアガムの代替品はほとんどなく1、世界的な供給量の約70%がスーダンに広がるアカシアの木から産出される。
ロイター通信の報道によれば、炭酸飲料の世界的メーカー、コカ・コーラやペプシコなどは以前には、供給不足をさけるための備蓄を進めており、3~6カ月分に相当する量を確保していた。
ところが今回の場合は深刻だというのだ。複数の食品・飲料大手にアラビアガムを供給している調達マネジャーは、
「戦闘がどれくらい続くか次第だが、店頭に並ぶおなじみの有名ブランド製品についても、思わぬ事態が生じる可能性は否定できない」
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と語る。
炭酸飲料メーカーにとっては、アラビアガムは”とてつもなく”重要なものだ。アメリカによる1990年年代以降のスーダンへの経済制裁においても、アラビアガムは対象外とされた3。
コーヒー豆 「世界最大の人道危機国」のイエメンで
炭酸飲料のアラビアガムだけでなく、我々の生活の中に溶け込む意外なものが、紛争と隣合わせの土地で栽培されている。たとえば、イエメンにおけるコーヒー豆がそうだ。