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米連邦最高裁がトランプ政権の関税措置を違法と判断1(1)し、米国の通商政策は転換点を迎えた。最高裁は「国際緊急経済権限法(IEEPA)」を根拠とする関税発動を「議会権限の侵害」と位置づけ、大統領による一方的な課税は憲法上許されないと結論づけた。
これを受け政権は、「1974年通商法122条」に基づく全輸入品への10%一律関税を急遽発動2し、法的空白を埋めつつ政治的主導権の維持を図っている。
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記事のポイント
- 一律関税はインフレやコスト上昇を招く恐れがあり、法的正統性と通商安定の両立が今後の焦点となる。
- 米連邦最高裁は、IEEPAを根拠としたトランプ政権の関税措置を「議会権限の侵害」として違法と判断し、行政権拡大に歯止めをかけた。
- 政権は対抗措置として1974年通商法122条に基づく全輸入品10%の暫定関税を発動したが、既徴収関税の返還問題が浮上している。
Summary
The U.S. Supreme Court ruled that tariffs imposed by the Trump administration under the International Emergency Economic Powers Act (IEEPA) were illegal, concluding that unilateral taxation by the president infringed upon congressional authority. This decision marks a turning point in trade policy and raises the issue of refunding tariffs already collected. As a countermeasure, the administration imposed a 10% provisional tariff on all imports under Section 122 of the 1974 Trade Act, but this is only a temporary measure lasting a maximum of 150 days.

詳細
判決は、行政権の拡張に歯止めをかけるもので、政権にとって法的・政治的に大きな打撃となった。IEEPA関税は安全保障を名目としてきたが、司法はその解釈を「緊急事態の乱用」と厳しく制限した。その結果、既に徴収した関税の返還問題も浮上し、財政への影響は巨額に及ぶ可能性がある。
通商法122条の措置は最長150日間の暫定的な課徴権限にすぎず、支持層への強硬姿勢を示す政治的意味合いが強い。だが、全世界一律10%関税はインフレ圧力や産業コスト上昇を招く恐れがあり、還付問題とあわせて政権運営の不安定要因となりうる。焦点は、政権が法的正統性と通商の安定をいかに両立できるかにある。
