もうすぐ参院選 日本の選挙制度はうまく機能しているのか 公職選挙法 意味のない選挙カー 戸別訪問の禁止をめぐる問題

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 参議院選挙(10日投開票)まで、1週間を切った。時事通信1の情勢分析によると、自民党は改選55議席を上積みし、60議席を上回る勢い。

 公明党も手堅く、自公の与党で非改選を含め過半数(125議席)を確保するのか確実であるという。

 一方、立憲民主党と国民民主党は苦戦している模様だ。日本維新の会は、改選の6議席から伸ばすことは確実。ただ、終盤の流れにより、情勢は変化する。

 時事通信は、自公の与党と、維新、それに国民を加えた「改選勢力」でみた場合、憲法改正の国会に発議に必要な3分の2(166議席)には「届く可能性が高い」と見ている。

 自民党は32ある改選数1の「1人区」のうち、21選挙区で優勢。他方、新潟、沖縄などで野党と接戦。

 改選数2~6の13ある「複数区」では、千葉、東京、神奈川で、2議席を確保しそうな状況。北海道でも、2議席目をうかがっている状態。比例については、前回の2019年に獲得した19議席を維持しそうな状況。

 公明党は、選挙区に擁立している7人のうち、5人が当選圏内に入った。残る2人も着実に議席を固めつつある。比例では、6~7議席をうかがう。

 他方、立民は改選23議席の維持は微妙。東京、埼玉など4つの選挙区で善戦しているものの、青森、岩手、長野などの1人区で厳しい戦いを強いられている状態。比例では、6議席を固めている。

 維新は大阪で2議席、神奈川で1議席の確保が濃厚。比例では、前回の5議席を維持しつつ、さらなる上積みを狙う。

 共産党は、東京では議席を維持する見込み。比例では、前回と同様に4議席を見込む。

 国民は、改選の7議席を割り込む可能性も。選挙区の現職3人は当落線上に位置、比例でも伸び悩む。

 社民党は、改選の1議席を維持できるかは不透明。れいわ新選組は東京での議席の確保を視野に入れている。また比例でも1議席を固めている。NHK党と参政党は、ともに比例で1議席をうかがっている。

 一方で、日本の選挙制度は、硬直した公職選挙法をはじめ、さまざまな問題をはらんでいる。

 このことが、投票率の低下や選挙そのものへの無関心を生み、さらには少ない女性議員の数などの新規参入の抑制となり、結果、自民党の長期政権を築き上げる結果となった。

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公職選挙法における問題点

 現行の公職選挙法は、とくに現職や既成政党に有利働く要因となっており、結果、新規参入を拒む要因もなっている。そのことは、統一地方選挙に顕著だ。

 たとえば、2019年の統一地方選挙から、都道府県議や市議選においても選挙運動用のビラの配布が認められた。

 ただ、そのビラには、選挙管理委員会が交付する証紙を張り付ける必要がある。 結果、その作業を遂行するために組織力なる候補者が有利となっている。

 「公職選挙法の現代化を。証紙貼りなど現職(既成政党)有利のような参入障壁は不要」

(40代の地方男性議員)2

 また、統一地方選に限らず、日本の選挙制度には、立候補する際に「供託金」を法務局に預ける必要がある。これは、当選する見込みのない人がむやみに立候補するのを抑制するための制度であるが、新人議員には特に不利に働くという。

 2016年には、「立候補の自由を奪う世界一高い供託金は憲法違反」として、国の損害賠償を求める訴訟が起きた。

 このときに弁護団が作成した資料によると、OECD(経済開発協力機構)の加盟国35カ国(当時)のうち、日本の供託金がもっとも高かった3