経営不安にさらされていたスイスの大手金融グループ「クレディ・スイス」は、同じスイスの金融大手「USB」により買収された。
買収総額は、日本円で4200億円あまりと伝えられている1。スイスのベルセ大統領やスイスの中央銀行である「スイス国立銀行」などが19日、首都ベルンで記者会見し、発表。
USBが株式交換の形で買収した。しかし買収総額は、17日時点のクレディ・スイスの時価総額のおよそ1兆円を大きく下回る。
クレディ・スイスは、相次ぐ不祥事やリスク管理の甘さなどから、業績が大きく悪化。
それとともに顧客の資金流出が止まらず、15日には株価が大きく下落、経営への不安が高まるとともに世界の金融市場に動揺を与えていた。
海外メディアの報道によると、当初、USBは1300億円での買収を提案していたものの、クレディ・スイスが難色を示していたという。
交渉はスイス政府や中央銀行の支援を経てまとまり、結果、アジアの金融市場が開く前に“強力に“交渉を仲介した。
買収で合意したUSBのケレハー会長は、会見で、
「はっきりさせておきたい。UBSはクレディ・スイスの投資銀行業務を縮小し、われわれの保守的なリスク管理に合わせていく」
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と語った。
買収の舞台裏
今回の買収劇は、スイス時間3月16日の午後4時に幕を開ける。スイスの高官かUSBの会長に“緊急の“電話をした。