2024年スーパーチューズデー結果 「スーパーチューズデー」とは? ヘイリー氏、4年後を見据えて

北アメリカ
スポンサーリンク

WOKANDAPIXによるPixabayからの画像

 11月の米大統領選の共和党候補者指名争いで15の州の予備選などが集中する天王山であるスーパーチューズデーの5日(日本時間6日)、トランプ前大統領(77)が14州を制し、ヘイリー元国連大使(52)に圧勝して指名獲得を確実にした。

 ヘイリー氏は6日選挙からの撤退を表明する。本選では民主党の指名が確実される現職のバイデン大統領(81)とトランプ氏が再対決する構図が事実上、決定。

 トランプ氏は、彼の強固な支持基盤と、共和党内で強い影響力背景に選挙キャンペーンを展開。バイデン大統領の政策、とくに移民政策を批判し、自身を「最悪の大統領」と評したバイデン氏との対決を強調する。

 また、「アメリカを取り戻す」というスローガンで勝利演説を行い、政治的メッセージが共和党の予備選挙有権者に響いた。

 米メディアによるとトランプ氏は、南部テキサスや西部カリフォルニアなど大票田を含む計14州を制した。共和党の指名獲得には、7月の党大会で投票権を持つ代議員2429人の関数が必要となる。

 初戦から勝利を重ねたトランプ氏は日本時間6日午後6時時点でスーパーチューズデーを含め1040人を獲得。一方、ヘイリー氏は東部バーモント州を制すにとどまる。

関連記事→

Amazon→

スーパー・チューズデー ~正義を売った日~ [Blu-ray]
陰謀、裏切り、不正―――モラルなき闘いが始まる アメリカ大統領選の驚愕の真実を描く! ジョージ・クルーニー×ライアン・ゴズリング が挑む究極の心理戦 ■アメリカ大統領選の裏側を暴く、極上のサスペンス。 不正、陰謀、裏取引、そして裏切り。勝つ...
スポンサーリンク

スーパーチューズデーとは?

 スーパーチューズデーは、多数の州で予備選挙と党員集会が一斉に行われる日で、この日の結果は選挙全体に大きな影響を及ぼす。

 共和党の候補者選びは1月に始まり、3月5日のスーパーチューズデーまでに10州以上で選挙が行われる。

 とくに、スーパーチューズデーには15の選挙が集中しており、この日に決定する代議員数は、全体の3分の1以上に。

 米大統領選挙は予備選挙を含めて長期間にわたるが、このスーパーチューズデーは選挙の流れを大きく左右する重要なポイント。2024年のスーパーチューズデーには、15の州とアメリカ領サモアなどで予備選挙や党員集会が行われた。

・アラバマ

・アラスカ(共和党のみ)

・アーカンソー

・カリフォルニア

・コロラド

・アイオワ(民主党のみ)

・メイン

・マサチューセッツ

・ミネソタ

・ノースカロライナ

・オクラホマ

・テネシー

・テキサス

・ユタ

・バーモント

・バージニア

・アメリカ領サモア(民主党のみ)

・海外の民主党員

1 

 同じく、民主党もスーパーチューズデーに14の州で予備選を実施し、1月にアイオア州で開かれた党員集会の結果を含めると、バイデン氏は合計15の州での勝利を確定させた。

スーパーチューズデーの歴史

 スーパーチューズデーは大統領選が行われる年の3月の第2火曜日に該当。

 由来は1984年のこと。この年から、南部諸州の予備選の日程が統一された。当時は、「南部集中選挙日」あるいは「南部同時選挙日」とも呼ばれていた。

 その後、スーパーチューズデーに予備選を実施する州は異なっているものの、1992年、96年、2000年、04年にもスーパーチューズデーが実施されている。

 スーパーチューズデーの時には波乱が起きやすい。

 2016年には共和党のトランプ氏が7州で勝利を納め共和党の候補指名を確実にするも、しかし代議員が最も多いテキサス州は落とす結果に。2020年はバイデン氏が14州中10州で勝利を納め、指名獲得に大きく近づいた。

 今回のスーパーチューズデーでは民主党陣営で波乱が。米領サモア党員集会でバイデン氏が敗れた。

 
 米メディアによると、実業家のジェイソン・パーマー氏(52)が51票を獲得し、バイデン氏(40票)を上回った。今回の党候補レースでバイデン氏が敗れたのは初めて。

 
 パーマー氏は無名の候補だったが、勝利が報じられた後に一躍注目度が高まり、本人の選挙運動用のウェブサイトはアクセスが困難な状況に2。米領サモアは南太平洋にある島々で構成され、人口約5万人。

ヘイリー氏、4年後を見据えて

 ヘイリー氏は次の大統領選に向けて知名度の向上を狙う。トランプ氏が帰り咲いたとしても憲法上1期4年しか務めることはできない。ヘイリー氏も、将来的にチャンスはまだまだある。

 ヘイリー氏はいずれも高齢のトランプ氏とバイデン大統領の再対決を国民は望んでないと繰り返し、過激なトランプ氏ではバイデン氏に勝てないと訴えてきた。さらに11月の本選でトランプ氏が破れば、 ヘイリー氏 にとっては、

「最善の結果」(米メディア)

3 

となる。

 ヘイリー氏が、苦戦が続く中で選挙戦を継続してきたのは、「米国初の女性大統領」を目指して知名度を高める狙いがあったとの見方も。

 建国以来約250年にわたり、女性が大統領になれていない。女性大統領が生まれないのは、そもそも女性の候補者が少ないためだ。

 そして潜在的な大統領候補者である州知事や連邦・州議員など、選挙で選ばれて公職に就く女性がそもそも少ないこと4に問題がある。 

  1. 安田聡子「米大統領選の山場「スーパーチューズデー」とは?何がスーパーなのか【米大統領選挙2024】」HUFFPOST、2024年3月4日、https://www.huffingtonpost.jp/entry/super-tuesday-2024_jp_65e551a5e4b0f89059332472 
  2. 秋山信一「ネット騒然 米領サモアでバイデン氏敗れる 相手は無名の実業家」毎日新聞、2024年3月6日、https://mainichi.jp/articles/20240306/k00/00m/030/078000c 
  3. ワシントン=共同「本選 バイデン氏攻撃」西日本新聞、2024年3月7日付朝刊、3項 
  4. 榊原謙「聖書の一節と、男女格差 撤退のヘイリー氏が最後の演説で語ったこと」朝日新聞デジタル、2024年3月10日、https://digital.asahi.com/articles/ASS376FM9S37ULFA004.html 
Translate »
PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました