要約
福岡市教育委員会は、小学校の学習アプリ利用率をもとに上位30校を示すランキングを作成し、各校長に毎月配布していた。市教委は、端末活用の参考にする意図を説明するが、学校間の競争を助長し、教育の自主性を損なう懸念が指摘されている。有識者からは、順位付けが学校間格差や教育の画一化を招く可能性があると批判の声も上がっている。
記事のポイント
・福岡市教育委員会が、学習アプリの利用率をもとに小学校のランキングを作成し、上位30校を毎月各校長に配布していた。
・市教委は、端末活用の参考とする意図を説明するが、学校間の競争を助長し、教育の自主性を損なう懸念が指摘されている。
・有識者からは、順位付けが学校間格差や教育の画一化を招く可能性があるとの批判が上がっている。
福岡市教育委員会が、学習アプリの利用率に基づいて小学校のランキングを作成し、上位30校を明示する取り組みを実施していた。この施策では、児童1人当たりの学習アプリの利用状況をグラフ化し、各学校長に毎月配布していた1。
この背景には、政府が推進する「GIGAスクール構想」があり、全国の小中学生に1人1台の学習用端末が配備されている現状がある。しかし、この施策が教育現場に新たな課題をもたらす可能性も指摘されている。
市教委は、順位付けの目的について「上位校を示すことで端末の使い方に悩む学校が、どの学校に相談すべきか判断する際の目安になれば」と説明している2。しかし、この取り組みが学校間の競争を過度に助長し、教員や児童に不必要なプレッシャーを与える懸念がある。また、学習アプリの利用率のみを基準とした評価では、教育の本質や児童の学習成果を正しく反映できないという指摘もある。
この施策の問題点として、学校間の格差拡大や教育の画一化が挙げられる。有識者からは「順位付けは学校を競わせるシステムとして働く」との批判があり3、学習アプリの使用に関する各校の自主性を損なう可能性も指摘されている。
GIGAスクール構想 文部科学省が2019年12月に打ち出した教育のICT化を推進する計画
GIGAは「Global and Innovation Gateway for All」の略称で、「すべての児童・生徒にグローバルで革新的な扉を」という意味
具体的には、以下の取り組みが含まれている
- 1人1台端末の整備:全国の小・中学校、高等学校などにおいて、児童生徒1人に対して1台のコンピュータまたはタブレット端末を整備。
- 高速通信ネットワークの整備:学校に高速大容量の通信ネットワークを整備し、快適なICT環境を実現。
- クラウド活用:教育用のアプリケーションやコンテンツをクラウド上で利用できるようにする。
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- アプリ利用率で順位付け、福岡 市教委、上位30校を明示. (2025). Retrieved 29 January 2025, from https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1516635
- アプリ利用率で順位付け、福岡 市教委、上位30校を明示. (2025). Retrieved 29 January 2025, from https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1516635
- アプリ利用率で順位付け、福岡 市教委、上位30校を明示. (2025). Retrieved 29 January 2025, from https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1516635