【ブックレビュー】『でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相―』福田ますみ、新潮社、2009年

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Peggy und Marco Lachmann-AnkeによるPixabayからの画像

 なぜ「でっちあげ」が成立してしまったか。明らかに精神的に不安定で、何らかの支援を必要としていた保護者の存在を、しかし社会は、そのサインを「異常」として扱うのではなく、「被害者の声」として片づける。

 教育現場の人間たちは、合理的判断を放棄し、“空気”に流されていく。 告訴された教師も、校長も、教育委員会も、マスコミも――皆が「おかしい」。

 だがその“おかしさ”は個人の資質ではなく、日本社会全体の構造的な歪みを映している。感情に同調し、集団の安心を優先し、事実より「印象」を信じる。

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でっちあげ (新潮文庫)
「早く死ね、自分で死ね。」2003年、全国で初めて「教師による児童へのいじめ」と認定される体罰事件が福岡市で起きた。地元の新聞報道をきっかけに、週刊誌やワイドショーが大々的に報じ、担当教諭は と称され、停職処分に。児童側はさらに民事裁判を起...
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