韓国の首都ソウルの繁華街である梨泰院の路地で29日夜、ハロウィーンを前に集まった多数の若者らが折り重なるように倒れる事故が発生。
当局の警察や消防による30日時点の発表によると、外国人20人超を含む154人が死亡、130人以上が負傷した。
韓国政府の集計では、死者は男性56人、女性98人。20代が103人で最多、次いで30代が30人。10代も11人にのぼる。外国人の死者は日本人2人のほか、イランや中国、ロシア、アメリカなど14カ国の計26人に達す1。
現場周辺は、ダンスクラブや飲食店が軒を連ね、さらに営業時間などに関する新型コロナウイルス対策の規制が解除されて初めてむかえるハロウィーン前の週末で、韓国メディアよれば十数万人が集まったとの推計を伝えた。
警察は事故の原因や当時の安全対策について捜査する過程で、有名人が近くを訪れ、人が殺到したのと情報もあるが真偽は不明2。
韓国政府は2005年に11人が犠牲になった中部の慶尚北道尚州市の圧死事故を機に
「地域祝祭場安全管理マニュアル」
を策定。ただ、29日当日は、梨泰院では店舗ごとにハロウィーンイベントが開かれており、統一した主催者はいなかったため、マニュアルの対象外だった3。
群集雪崩とは?
事故が起きた梨泰院の現場は幅3メートル、長さ40メートルほどの場所2。片側は大型ホテルの高い壁が立ち、片方はクラブやバーが並ぶ。
一方、中央日報は、現場付近の路地17棟のうち14棟は違法建築であることを報道4。このような場所で「群衆雪崩」が起きた可能性はある。