新型コロナ 第8波へ 新変異株 インフルエンザと同時流行の可能性 一方、感染死”納体袋”取りやめる動きも 「遺体からの感染の可能性低い」

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 新型コロナの感染拡大をめぐり、本日、岸田首相と面会した政府分科会の尾身茂会長は、

「特に北海道なんかがそうですけども、感染の拡大傾向が明らかな地域、新しい波に入りつつあるということは、言ってもいいんじゃないかと」 

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と語り、感染の流行が新しい波に入りつつあることを述べた。

 11月に入るあたりから、東京都では、新型コロナの波の先行指標である「発熱相談件数」や「検査要請数」が増加。全国の新規陽性者数も増加傾向で、コロナ」病床も使用率もじわりと増えている2

 感染の拡大は欧州でも。

 イギリスのオックスフォード大学の研究者などが運営するサイト「アワ・ワールド・イン・データ」によると、ドイツの人口100万あたりの新規感染者数は今年9月には350人ほどであったが、10月上旬以降、1000人を超えた3

 専門家によれば、次の波である”第8波”のピークは11月下旬から12月上旬であるとも4

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新変異株 ケルベロスとグリフォン


 第8波の中で懸念されるのが、オミクロン株から派生した変異ウイルス。ギリシャ神話に登場する冥界の番犬「ケルベロス」に例えられた「BQ.1.1」と、上半身がワシで下半身がライオンという、伝説上の生き物「グリフォン」に例えられた「XBB」の二つがある。

 変異株の名称は、いわゆる「BA株」の中で、さまざまなタイプが合わさったものいうことで、最初に「ケンタウロス」と命名された。これは、ヘビとイヌ、ワシとライオンというものが組み合わさっている。

 オミクロン株の特性は、免疫を逃避する、スパイクたんぱく(突起の部分)が変異すること。このような免疫を逃避するようなウイルスは、感染力が増しやすい。

 オミクロン株「BQ.1.1」(ケルベロス)はアメリカやイギリスなど48カ国で報告され、日本でも検疫で11件、国内6件が確認5

 「XBB」グリフォンはインドなど21カ国で確認されており、シンガポールでは全体の54%を占めるという6

 オミクロン株による症状はあまり強いものでもないが、しかし高齢者や基礎疾患を持っている人は、要注意だ。

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新型コロナとインフルエンザ、同時流行の可能性


 もう一つ懸念されているのが、冬にかけて新型コロナウイルスとインフルエンザが同時流行する可能性だ。

「10月から来年3月の半年間に、新型コロナの流行拡大と季節性インフルエンザの流行が発生する可能性は極めて高い」

 10月5日、新型コロナの対策に当たってきた専門家が連名で、この先の見通し示す文書を厚生労働省の専門家会合に提出7

 水際対策の緩和や過去、2シーズン、国内でインフルエンザの流行がなかっため、免疫を獲得している人が少ない。

 また日本とは季節が逆で、インフルエンザの流行の時期が半年ずれる南半球のオーストラリアでは今年、2年ぶりにインフルエンザが流行した。コロナ禍が始まる前、毎年の冬には、季節性インフルエンザが流行していた。

 ひとつのシーズンで1000万人が感染し、多い年には2000万人が感染していた。

 インフルエンザは東南アジアやアフリカなどの地域では年間を通じて、感染が広がっている。それが国際的な人の移動とともに各国へ流れ、とくにウイルスが広がりやすい冬の時期に大規模な流行が起こる。

 コロナのワクチンもインフルエンザのワクチンも、感染をある程度防ぐほか、とくに”重要化”を防ぐ効果は極めて高い。

一方、感染死”納体袋”取りやめる動き 「遺体からの感染の可能性低い」


 一方、新型コロナウイルスに感染して亡くなった人の遺体を納める「納体袋」の使用を取りやめる医療機関や葬儀会社も出ている。

 国は、感染対策の指針で納体袋の使用を求めているが、遺体からの感染の可能性はほぼなく、遺族への配慮のためでも。

 国の指針により全国でも、医療機関や葬儀会社の大半は、遺体を納体袋に納めているとみられる。しかし、静岡市立静岡病院感染管理室長の岩井一也医師は、毎日新聞(2022年11月5日付朝刊)の取材に対し、

「遺体から感染することはほぼなく、指針の変更や撤廃をすべきだ」

と話す。

 静岡病院では院内での協議を経て、今年の3月から、感染者の遺体を納体袋に入れずに葬儀会社に引き渡している。その際は、「特別な感染対策は不要」という依頼書を添え、理解を求めた。

 説明も重ね、現在では8割の葬儀会社が応じているそうだ。

 国の指針は、厚生労働省と経済産業省が2020年7月にまとめたもので、医療従事者や葬儀会社らの対応を示したもの。

 これによれば、遺体を、体液が染み出さない非透過性の納体袋に納めるとし、接触感染を避けるため袋を開けて遺体に触れるのも控えるよう求めている。

 しかし、WHO(世界保健機関)は

「遺体の暴露から感染するという根拠はない」

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とする。

  1. FNNプライムオンライン「【速報】尾身会長「新しい波に入りつつある」 新型コロナ第8波に言及」2022年11月10日 
  2. 倉橋優「新型コロナ第8波のピークはいつ? 先行指標「発熱相談件数」「検査陽性率」が増加 医療逼迫は防げるか」Yahoo!ニュース、2022年11月6日、https://news.yahoo.co.jp/byline/kuraharayu/20221106-00322759l 
  3. NHK「厚生労働省の新型コロナ専門家会合 新型コロナ “第8波”は来る? 来るならいつ? 専門家の分析は」2022年10月18日、https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/advisory-board/detail/detail_88.html 
  4. 倉橋優、2022年11月6日 
  5. MBS NEWS「【解説】”新変異”の「ケルベロス」「グリフォン」って?コロナ第8波はすでに準備段階に!?専門家が感染拡大の要因を分析」2022年10月24日、https://www.mbs.jp/news/feature/kansai/article/2022/10/091519.shtml 
  6. MBS NEWS、2022年10月24日
  7. NHK NEWS WEB「新型コロナとインフルエンザ 同時流行の可能性 どんな事態が?」2022年10月13日、https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221012/k10013856051000.html 
  8. 村田拓也「コロナ弔い 最後の別れを」毎日新聞、2022年11月5日付朝刊
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