米大統領選テレビ討論会開催 「トランプ2.0」にバイデン屈す 交代論も浮上

北アメリカ
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Sinisa MaricによるPixabayからの画像

 2024年アメリカ大統領選挙に向けた初のテレビ討論会が、現地時間6月27日、バイデン大統領とトランプ前大統領の間で行われた。
 
 討論会はジョージア州アトランタのCNNスタジオで行われ、90分間の時間で観客なしの形式で行われ、CNNが主催。
 
 討論会でバイデン氏は経済政策と記録的なインフレについて、雇用創出と物価引き下げに取り組んでいると主張。対してはトランプ氏はバイデン政権下でのインフレを批判。
 
 移民政策については、トランプ氏が厳格な国境管理を主張するのに対し、バイデン氏は包括的な移民制度改革を提唱。
 
 ウクライナ問題については、トランプ氏が自身が大統領なら侵攻は起きなかったと主張するのに対し、バイデン氏はトランプ氏の発言を「たわごと」と批判 。
 
 あるいは2021年1月6日の議会襲撃事件のついては、バイデン氏がトランプ氏が煽動したと非難するのに対し、トランプ氏:平和的・愛国的だったと主張とする。
 
 討論会の模様は推定5127万人が視聴(CNNの発表)。しかしこの数字は前回の2020年の第1回討論会(約7300万人)と比べて30%減少した。
 
 討論会では、バイデン氏が序盤で声がかすれたり口ごもる場面があり、健康不安を払拭できなかったとの指摘が。対してトランプ氏は攻撃的な姿勢を維持しつつ、冷静さもアピールする。

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米大統領選テレビ討論会開催 「トランプ2.0」にバイデン屈す 交代論も浮上 - ジャーナリスト 伊東 森の新しい社会をデザインする ニュース | stand.fm
2024年アメリカ大統領選挙に向けた初のテレビ討論会が、現地時間6月27日、バイデン大統領とトランプ前大統領の間で行われた。 目次 バイデン、散々な評価に終わる 「トランプ2.0」 バイデン、交代論浮上 #バイデン大統領 #トランプ

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バイデン、散々な評価に終わる

  討論会でのバイデン氏の評価は散々だった。

  バイデン氏は討論会の開始直後から声がかすれ、言葉に詰まる場面が目立つ。そして司会者の質問の趣旨をたびたび取り違えた。またトランプ氏の発言中に口を開き、視線が定まらない姿が映る場面も1

  専門家や政治家からの評価はどうか。 オバマ政権で大統領上級顧問を務めたデイビッド・アクセルロッド氏は「討論の冒頭での彼の出方には、実際にショックがあった」と述べる2

  バイデン氏の姿に視聴者もショックを受けたようで、討論会後の世論査では、「バイデン氏は再選を目指すべきではない」と答えた人が72%に上り、2月の調査から9ポイント増加 民主党支持層でも「再選を目指すべきではない」と回答した人が46%と半数近くに上った3

「トランプ2.0」

  対してトランプ氏は2024年の大統領選に向けて、以前よりも洗練された「トランプ2.0」とも呼べる戦略を展開。
 
 その戦略は、より抑制された態度で討論に臨む姿勢を見せ、討論ルールを順守し、答弁の割り込みを控えたり、移民問題など得意分野に焦点を当てるものだ。
 
 しかし、その一方で虚偽や誤解を招く主張を繰り返し発信し、バイデン大統領や民主党への激しい攻撃を継続させ、前回の2020年選挙結果への疑念を引き続き主張する。
 
 討論会や選挙運動を通じて、トランプ氏は30件以上に及ぶ事実に反する発言や誤解を招く主張を展開。

 それらは、「史上最高の経済」を実現したという主張や移民の流入が犯罪増加の原因だとする主張、2020年選挙で不正があったとする根拠のない主張、バイデン氏が中国から金銭を受け取っているという根拠のない主張、民主党が出生後の中絶を支持しているという虚偽の主張。

 2021年1月6日の議会暴動参加者が「警察に案内された」という虚偽の主張、バイデン政権下でのインフレ率に関する誤った主張、環境保護に関する誤った実績の主張、ウクライナ支援に関する誤った主張、選挙干渉に関する根拠のない主張といったものだ。
 
 トランプ氏のこうした戦略と主張は、民主主義プロセスへの信頼を損ない、有権者の混乱や分断を助長し、事実に基づく政策議論を困難にする。

バイデン、交代論浮上

  一方、6月27日に行われたテレビ討論会でのバイデン氏の精彩を欠いたパフォーマンスは、”バイデン交代論”を加速。討論会後のCBSの世論調査では、バイデン氏の撤退を求める声が増加し、46%の民主党員が彼の再選出馬に反対している4

  対して、民主党幹部は、バイデン氏の交代の可能性を否定。ジョージア州のラファエル・ワーノック上院議員は、バイデン氏の再選を支持し、交代は「絶対に不可能」と述べている。

  また、デラウェア州のクリス・クーンズ上院議員も、バイデン氏がトランプ前大統領を打ち負かす唯一の候補者であると強調。

  ただ一部の民主党員は、バイデン氏の交代を完全には排除していない。例えば、ジェイミー・ラスキン下院議員は、党内で「非常に率直で厳しい会話」が行われていると述べている。

  もしバイデン氏が撤退する場合、カマラ・ハリス副大統領やミシガン州知事のグレッチェン・ウィットマー、カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムなどが代替候補として挙げられている状態だ。

  1. 淵上隆悠、池田慶太「バイデン氏の声かすれ、視線定まらず…アメリカ大統領選テレビ討論会で精彩を欠く場面に米紙「高齢への不安引き起こした」読売新聞オンライン、2024年7月3日、https://www.yomiuri.co.jp/world/uspresident/20240628-OYT1T50148/
  2. Brent D. Griffiths [原文] (翻訳、編集:山口佳美「【2024米大統領選】バイデン大統領の討論会でのパフォーマンスに、民主党関係者は「恐怖」BUSINESS INSIDER、2024年6月28日、https://www.businessinsider.jp/post-289534
  3. NHK NEWS WEB「米世論調査 “バイデン氏 再選目指すべきではない” 7割以上」2024年7月1日、https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240701/k10014497821000.html
  4. 坂口幸裕「バイデン氏が交代論火消し 大統領選、米紙は撤退要求」日本経済新聞、2024年6月29日、https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB291XS0Z20C24A6000000/
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