その「中道」はどこにあるのか 新党「中道改革連合」が直面する課題 理念なき中道は補完勢力に終わるのか

国際
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 欧米では、自由と共同体、個人の権利と国家の責務といった複数の価値軸の交錯の中で中道が形成されてきた。一方、日本では戦後、理念対立が希薄化し、国家運営の実務性や安定性を重視する政治文化が定着した1ため、中道は理念的中間点というより調整的・現実対応的姿勢として理解されてきた。

 欧米における中道は、「経済的保守」と「社会的保守」という二軸の分離によって特徴づけられる2。市場自由を重視する経済的保守と、伝統的価値を重視する社会的保守は必ずしも一致せず、政策的再編を繰り返してきた。

 これに対し、日本の中道は「経済的右派」と「社会的左派」を併せ持つ独自の構造を持つ3。市場重視の経済政策と、人権・多様性を尊重する社会政策が共存してきた結果、「改革派中道」というねじれた形が成立した。

 中道改革連合の課題は、この日本型中道の内的矛盾を理論的に整理できていない点にある。理念の曖昧さは短期的な支持拡大には有効だが、持続的な政策軸の形成を阻み、結果として既存勢力の補完的存在にとどまりやすい。

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なぜ日本では「第三の道」が根付かなかったのか 「自由」と「公正」を失った日本政治の30年

 現代日本の政治において、「リベラル」や「中道」は本来、自由と平等、社会的公正を支える規範的な軸であるはずだった。しかし1990年代以降、構造改革と新自由主義が政治の共通言語となる4なかで、日本型リベラリズムは「自由競争」や「自己責任」と結びつき5、その本来の役割を見失ってきた。

1しかし、その「中心」がどこに位置づけられるかは、各国の歴史や政治文化によって大きく異なる。 2しかし1990年代以降、構造改革と新自由主義が政治の共通言語となるなかで、日本型リベラリズムは「自由競争」や「自己責任」と結びつき、その本来の役割を見失ってきた。 3一方、野党は現実的な代替勢力を形成できず、中道改革連合も「分断を超える現実主義的改革勢力」としての当初の期待に十分応えられていない。 4中道改革連合の支持低迷の主因は、理念と実態の乖離にある。

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  1. 北岡伸一『自民党―政権党の38年』中央公論社(1995) 
  2. Herbert Kitschelt『The Transformation of European Social Democracy』(1994) 
  3. 山口二郎『政治改革』岩波書店(1993) 
  4. 中野剛志『日本思想史新論―プラグマティズムからナショナリズムへ』(ちくま新書, 2012年)
  5. 中北浩爾『自民党政治の変容』(NHK出版, 2014年)
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