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メジャーリーグ・エンゼルスの大谷翔平が再び右肘の靭帯を損傷し、アメリカ、そして日本に衝撃が走った。
予兆はあった。今年の大谷はWBCにピークを持っていったこともあり、絶好調のまま開幕を迎える。4月はストレートの回転数も軌道も非常に良い状態を保っていた。
しかし5月以降、手のマメがつぶれた影響もあり、その回転数はだんだんと落ちていく。
事実、4月の大谷の成績は5戦4勝、防御率も2点台と安定していた。だが、5月以降は調子を落とし、大谷の代名詞でもあるスイーパーも昨年のよりも請求面で苦しんでいた。7月末から筋肉のけいれんの症状が出る。
また、今年からはメジャーリーグで使用されるボールの縫い目の高さは変わりスライダーの曲がり方が変化したりするなど1、環境面の変化もあった。
スイーパーの偏重ぎみも明らかであり、肘への負担で気になる点もいくつもあった。
現時点では、大谷は前回、トミー・ジョン(TJ)手術を受けた2018年の損傷とは違う箇所を痛めたという報道もある。
しかし、大谷が今後、2度目のトミー・ジョン手術を受けるかどうかは、「セカンドオピニオンを仰いでからの判断」という状態だ。
大谷は今年、FA(フリーエージェント)を迎える。そして今後、大谷が打者としてDH専門で戦うべきかについては、意見が分かれている2。
「ポジションがないのは痛いが、攻撃面ではアーロン・ジャッジの領域に入る選手だし、走塁面ではジャッジより優れている」
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「DHオンリーの選手と契約するのは難しい」
「文化的なインパクトは非常に大きい。大谷を獲得したチームはチケットの売り上げが大幅に上昇することになる」
などの意見がある。
野球における肘の故障のリスク
とはいえ、大谷を襲った悲劇の背景には、野球の、とくに投手の肘の故障のリスクの重大さを浮き彫りにした。 実は、現在、メジャーリーグの投手の約3割は、キャリア中に一度はトミー・ジョン手術を受けている状態だ。