有料記事【本日のニュース・2025年8月19日(火)】町田署長セクハラ発言・笑点立川晴れの輔・福山雅治下ネタ騒動から見える「非合理を許容する社会」 日本のハラスメントの本質は何か?

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OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像

 警視庁町田署の59歳の署長が、2025年4月の懇親会で女子寮に住む女性署員に対し、「寮では自炊しないので花嫁修業で苦労する」「出生率が下がる」と発言。この言葉は女性の役割を固定化する性差別的ニュアンスを含み、セクハラにあたるとして処分の対象となった1 。

 一方、落語家の立川晴れの輔は『笑点』(8月17日放送)で「これ言ったらパワハラ?」と発言した2。このような発言はパワハラを笑いのネタに変えることで、問題を軽視し、むしろ「茶化す文化」を再生産していると言える。

 また、福山雅治に代表される芸能人の「キャラ依存」は、同じ下ネタであっても人気やイメージ次第で受け止め方が変わるという構造を示している。これは権威や人気が免罪符となる「不平等な寛容さ」であり、ハラスメントを温存する要因となる。

 さらに、真夏の酷暑下でも強行される甲子園大会は、健康リスクという合理的理由を脇に置き、伝統や精神論を優先する社会的慣習の典型であり、パワハラであることに変わりない。

「不平等な寛容さ」とは・・・

「不平等な寛容さ」とは、本来なら誰に対しても一貫して適用されるべき「寛容」や「許容」が、社会的地位や人気・権威といった属性によって不公平に適用される現象を指す。心理学でいう「ハロー効果」や社会学での「権威勾配」に近い現象である。つまり、同じ行為や発言であっても、人気者や権威者であれば「問題にしない」「キャラだから許される」と特別扱いされやすい。

この状態は「多様な価値観を受け入れるはずの寛容が、力関係や集団の空気によって恣意的に制限される」ことで成り立つ。不平等な寛容さは、社会規範の曖昧化を招き、結果的にハラスメントや問題行動が十分に批判されず、温存されるリスクを高める。

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