Ryan McGuireによるPixabayからの画像
職業差別と受け止められかねない発言をしたとして批判され、辞職を表明していた静岡県の川勝平太知事(75)が10日午前、県議会の中沢公彦議長に退職届を提出。30日後に自動的に失職する。
川勝氏は新入職員への訓示の中で、
「県庁はシンクタンクです。毎日毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノをつくったりということと違って、皆様は頭脳、知性の高い方です」
と発言したことが問題に。この発言に対しては、
「農業や畜産に携わる人々の知性が低いというのか」
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などとの抗議や批判が県庁に寄せられ、川勝氏は翌2日に謝罪し、6月議会での辞職を表明したが、発言を撤回しなかった。しかしその後も批判はなりやまず、5日に発言を撤回、8日には辞職を早める意向を示す。
2009年に知事に就くまでの川勝氏は、学者であった。専門は比較経済史。経済学と歴史学にまたがる領域だ。英オックスフォード大学で博士号を取得し、若くして頭角を現す。
早稲田大学の政治経済学部の教授や国際日本文化研究センター(日文研)副所長を務めた2。
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訓示
川勝知事の発言は、日本の社会に根ざした「訓示文化」についての議論も呼び起こした。そもそも問題発言は、新入職員に対する22分間の長い訓示の中で生じた。