【本日のニュース　2025/03/12/水】Niantic、ゲーム事業を売却　「ポケモンGO」など

pamela430によるPixabayからの画像

　米国の位置情報ゲーム開発会社Nianticは、「ポケモンGO」などの主要ゲームタイトルを、Scopelyに35億ドル（約5,250億円）で売却すると発表した¹。

　Nianticがこの決定に至った背景には、経営戦略の大幅な転換がある。同社は、ゲーム開発から撤退し、AR（拡張現実）技術と位置情報技術を活用したジオスペーシャル（地理空間）コンピューティング事業に経営資源を集中させる方針を打ち出した。これは、Nianticが持つ位置情報技術の研究開発を強化し、競争力を高める「選択と集中」の戦略である。

　一方、買収を主導したScopelyの背後には、サウジアラビアの「国家ゲーム・eスポーツ戦略」がある。2021年に設立されたSavvy Games Groupは、この戦略の一環としてゲーム業界への積極的な投資を進めており、サウジアラビア政府は2030年までにゲーム産業のGDP貢献額を500億サウジリヤルに引き上げ、39,000の雇用を創出することを目指している²。

　しかし、この一連の動きには批判的な見方もある。サウジアラビアのゲーム産業への投資は、経済の多様化を進める一方で、国際的なイメージ向上を狙う「スポーツウォッシング」の一環ではないかとの指摘もある³。特に、サウジアラビアの人権問題に関する懸念も取り沙汰されている。

Nianticについて

• 設立と歴史: Nianticは2010年にGoogleの社内スタートアップ「Niantic Labs」として設立され、2015年に独立。
• 事業内容: モバイル端末を用いた位置情報アプリや位置情報ゲームの開発を行っている。代表的なタイトルには「Pokémon GO」や「Ingress」が。
• 技術: AR（拡張現実）技術と位置情報技術を活用。
• 主な製品:
  • Pokémon GO: スマートフォン向けの位置情報ゲーム。任天堂やポケモン社と共同開発。
  • Ingress: 拡張現実ゲーム。200以上の国と地域で利用。
  • Pikmin Bloom: ピクミンシリーズの位置情報ゲーム。
• 新会社設立: ゲーム事業から撤退し、ジオスペーシャルコンピューティング事業を新会社「Niantic Spatial Inc.」としてスピンオフ。
• 日本法人: 株式会社ナイアンティックが存在し、日本国内でのゲーム開発や運営を行っている。

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1. Niantic、『ポケモンGO』や『モンスターハンターNow』などを手掛けるゲーム事業をサウジ系のゲーム会社Scopelyに35億ドルで売却へ. (2025). Retrieved 20 March 2025, from https://gamebiz.jp/news/402299 
2. PIF | Savvy Games Group completes acquisition of Scopely for $4.9 billion | Public Investment Fund. (2025). Retrieved 20 March 2025, from https://www.pif.gov.sa/en/news-and-insights/newswire/2023/savvy-games-group-completes-acquisition-of-scopely-for-fourty-nine-billion/ 
3. Yan Zhuang. (2025). Retrieved 20 March 2025, from https://www.nytimes.com/2025/03/13/world/middleeast/pokemon-go-niantic-scopely-sale.html