Clker-Free-Vector-ImagesによるPixabayからの画像
第25回夏季デフリンピック競技大会東京2025は、11月15日から26日までの12日間にわたり、東京を中心に静岡県や福島県でも開催された。約80の国・地域から約3,000人のデフアスリートが参加し、21競技で熱戦が繰り広げられる今大会は、1924年パリ大会から100周年を迎える節目の記念大会でもある1。
〇全文を以下（有料）で読むことができます。
要約
東京2025デフリンピックは、日本初開催で創設100周年を迎える国際大会。補聴器が使えない競技特性から、光や振動を用いた独自の技術が導入され、社会のアクセシビリティ向上にも応用が期待される。
一方で、選手はスポンサー不足や通訳者不足、職場・学校でのコミュニケーションの壁など、多くの課題を抱える。日本社会では手話の普及が遅れ、「見えない障害」への理解不足も残る。大会は、こうした構造的な問題に光を当て、支援と共生への意識を高める契機となっている。
記事のポイント
- デフリンピック東京2025は日本初開催で、約3,000人が参加する100周年の節目の大会。
- 競技は補聴器禁止・視覚や触覚の合図で行われ、ろう文化と技術革新を示す場となっている。
- 選手の経済負担や通訳不足など構造的課題があり、支援拡充とアクセシビリティ向上が求められている。
Summary
The Tokyo 2025 Deaflympics marks Japan’s first time hosting this international event, which celebrates its 100th anniversary. Due to the nature of the sports, where hearing aids cannot be used, unique technologies employing light and vibration have been introduced, with applications expected to enhance societal accessibility.
Meanwhile, athletes face numerous challenges, including a lack of sponsors and interpreters, as well as communication barriers at work and school. Japan lags in sign language adoption, and understanding of “invisible disabilities” remains insufficient. The Games serve as an opportunity to shine a light on these structural issues and raise awareness for support and coexistence.
Translated with DeepL.com (free version)
日本での開催は今回が初めてであり、2020年東京オリンピック・パラリンピックで培われた施設や運営ノウハウを活用した大会運営が期待されている。
東京が開催地に選ばれた理由としては、100周年という節目の意義に加え、五輪で示された運営能力と充実したインフラが大きく影響した。アジア初開催として地域のデフスポーツ発展に寄与し、日本が情報バリアフリーや手話対応の推進を世界に示す場となる点も評価された。また、全日本ろうあ連盟による開催提案と強固な地元支援体制も決定を後押しした。
競技では補聴器の使用が禁じられ、音による合図はすべて視覚的・触覚的なサインに置き換えられる。スタートはピストル音ではなくストロボライトや旗、振動パッドなどで行われ、デフアスリートが公平な条件で競技できる環境が整えられている。
こうした技術は大会運営にとどまらず、日常生活における交通案内や緊急情報の視覚化にも応用可能で、社会全体のアクセシビリティー向上につながるだろう。
デフリンピックの歴史
・1918年、ユジェーヌ・リュバン＝アルケがフランスろう者スポーツ連合を設立。
・1924年、パリで第1回夏季大会が「国際サイレント大会」として開催され、9カ国・約150人が参加。
・1924年、国際ろう者スポーツ委員会（CISS、現ICSD）の設立により大会の基盤が整備。
・1926年、日本で第1回ろうあ者体育競技大会が開催される（日本デフスポーツの起点）。
・以降、夏季大会は4年ごとに継続。
・1949年、オーストリア・ゼーフェルトで初の冬季デフリンピックが開催される。
・1964年、日本がCISSに加盟し、国際大会参加が本格化。
・1965年、日本が第10回ワシントン大会で初めてデフリンピックに参加。
・1967年、「世界ろう者競技大会」に改称。
・2001年、IOC承認のもと大会名称が正式に「デフリンピック」となる。
・2017年、トルコ・サムスン大会で100カ国・約3100人が参加する規模に拡大。
・現在は夏季・冬季デフリンピックが交互に開催されている。
・2025年、東京大会が100周年を迎える日本初開催となる。
Amazon（PR）→
東京初開催のデフリンピックが映し出す、ろう文化と技術革新
デフリンピックは、聴覚障害のあるアスリートによる国際総合スポーツ大会であり、1924年にフランス・パリで第1回大会が開かれた。第25回となる2025年大会は、11月15日から26日までの12日間、東京を中心に開催された。日本での開催は今回が初めてで、近年の猛暑を避けるために晩秋の時期が選ばれた。
