HIVは治る時代でも、検査は遠い――沖縄の現実
沖縄県では、新たに報告されるHIV感染者のうち、発症後に初めて感染が判明する「いきなりエイズ」の割合が、全国平均を大きく上回っている。2024年の統計では、新規報告者の約6割がすでに発症段階で診断されており、早期発見・治療の体制が十分に機能していない実態が浮かび上がっている1。
この状況は、沖縄特有の社会構造が強く関係しているという。共同体の規模が比較的小さく人間関係が密接であるため、HIV検査を受けた事実や性的指向が周囲に知られることへの不安が生じやすい。さらに、医療の進歩によってHIVが「死に至る病」ではなくなったという認識が広がり、感染への危機意識が低下した結果、検査行動が後回しにされやすくなっている。
また、「いきなりエイズ」が多い理由は、医療アクセスの問題だけではない。感染に対する偏見やスティグマが依然として根強く、HIV陽性者が「自己責任」とみなされる社会的まなざしが、検査をためらわせる要因となっている。
改善できることがあるとしたら、検査の受けやすさを高める施策と、心理的障壁を下げる社会的取り組みを同時に進める必要がある。匿名性を重視した検査体制の拡充や、夜間・休日対応の検査拠点の整備は有効だ。加えて、学校や地域と連携した啓発活動や、LGBTQ+支援団体との協働を通じて、正確な知識と安心して相談できる環境を広げていくことが求められる。
1HIVがどのように人類社会へ浸透し、世界的なパンデミックへと至ったのかを理解することは、HIVについての今日まで続く偏見や誤解の背景を知るうえでも不可欠だ。 2とくに当時のレーガン政権は約6年間、公の場でエイズへの言及を避け、エイズへの研究や啓発への対応は大きく遅れた 3改善できることがあるとしたら、検査の受けやすさを高める施策と、心理的障壁を下げる社会的取り組みを同時に進める必要がある。 4匿名性を重視した検査体制の拡充や、夜間・休日対応の検査拠点の整備は有効だ。
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