【有料記事】久米宏と『ニュースステーション』――日本型テレビ報道の功罪 「私は素人ですから」 久米宏の〈わかりやすさ〉は何を削ぎ落としたのか 

テレビ
この記事は約9分で読めます。
スポンサーリンク

 これに対し『ニュースステーション』などの制作システムでは、外部プロダクションが番組の方向性や熱量を主導し、放送局が最終責任を曖昧にさせた。結果、責任の所在が不透明化し、さらには広告主や代理店の意向が編集内容にまで浸透する余地が拡大してきた。

 この外注依存構造は、視聴率至上主義とニュースの商品化を助長し、ジャーナリズムの公共的監視機能を弱体化させた。

※1.BBCの王立憲章(Royal Charter)は、公共放送の独立性を保証する基盤で、特に編集権の運用において政府からの干渉を排除する根拠を示す。

※2.USAGM(米国グローバルメディア庁)のファイアウォールは、VOA(ボイス・オブ・アメリカ)やRFE/RLなどの傘下メディアが政治的干渉を受けないよう守る法的・慣習的な障壁。

スポンサーリンク

「私は素人ですから」 わかりやすさの代償 久米宏が最後まで守ったテレビ朝日ジャーナリズム

 久米宏は確かに、日本の報道番組に新しい「語り」の形式をもたらした存在である。彼の登場は、ニュースを単なる事実伝達から、社会的出来事を共有する「舞台」へと変えた1

1欧米では、BBCの王立憲章やUSAGMのファイアウォールに象徴されるように、報道部門を政治・商業的圧力から切り離し、編集権限をインハウスで厳格に管理する仕組みが確立されている。 2久米宏は確かに、日本の報道番組に新しい「語り」の形式をもたらした存在である。 3『ニュースステーション』は、従来の「権威的で淡々とした報道」に代わり、報道を「見せる舞台」へと変えた。 4模型やBGM、照明を用いた演出によってニュースを「体験させる」手法を導入し、視聴者はニュースを娯楽として受け取るようになった。

マウスオーバーか長押しで説明を表示。
  1. 深澤弘樹「変容するニュースキャスターの『語り』:重視される共感」『駒沢社会学研究』2024年
Translate »
PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました