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2024年4月、米シティグループで本来280ドル(約4万円)の送金が、誤って1京2200兆円(約81兆ドル)と入力されるミスが発生。システムの問題と人為的ミスが重なり、誤入力が見過ごされたが、90分後に発覚し送金は未実行だった。シティは迅速に対応し、顧客への影響はなかったと説明。FRBとOCCに事案を報告した。過去にも誤送金を起こしており、今後はチェック体制の強化と従業員教育の徹底が求められる。
- 2024年4月、米シティグループで約1京2200兆円(81兆ドル)の誤送金が発生しかけるミスが発生。
- 本来280ドル(約4万円)の送金が、システムの誤作動と人為ミスにより誤入力され、90分後に発見・取り消しされた。
- 過去にも誤送金の事例があり、今後はチェック体制の強化と従業員教育の徹底が求められる。
米シティグループで1京2200兆円(約81兆ドル)もの誤送金が発生しかけるミスが起きた。この事案は2024年4月に発生し、金融機関における人的ミスとチェック体制の課題を浮き彫りにした1。
本来280ドル(約4万円)の送金であったが、システム上の問題と人為的ミスが重なり、誤って途方もない金額が入力された。幸いにも、誤りは90分後に発見され、実際の送金は行われなかったものの、リスク管理の重要性が改めて認識される出来事となった。
報道によると、送金処理の際、システムには既にゼロが15桁入力された状態になっており、担当者が送金額を入力した際に誤った数値が反映された。この誤りを複数の担当者が見逃したことで、事態は深刻化した。
シティグループは迅速に送金を取り消し、顧客に影響はなかったと説明している。シティの24年10〜12月期決算によると、24年12月末の現金残高は227億ドル、総資産は2兆3571億ドル。フィナンシャル・タイムズによると、現金の流出はなかったものの、米連邦準備理事会(FRB)と米通貨監督庁(OCC)に事案を報告したという。
しかし、過去にも誤送金を起こしていることから、今後はシステムの多層的なチェック体制や従業員教育の強化が求められるだろう。
過去の誤送金
シティバンクの誤送金事例(2021年)
- 2020年8月、シティバンクは化粧品会社レブロンの債権者に対し、約9億ドル(約951億円)を誤って送金
山口県阿武町の誤送金事例(2022年)
- 2022年4月、山口県阿武町が新型コロナウイルス関連の特別定額給付金を誤って1世帯に4630万円全額を振り込むミスが発生。
GMOあおぞらネット銀行の誤送金事例(2024年)
- 2024年9月30日、GMOあおぞらネット銀行でシステムトラブルにより振込処理の遅延が発生し、その解消のための対応中に一括振込の一部で誤送金が発生。