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要約
トランプ米大統領は、米映画産業の衰退と国家安全保障上の脅威を理由に、米国外で製作されたすべての映画に100％の関税を課す方針を表明。商務省などに対し手続き開始を指示した。もう何年も前からハリウッド大手は税制優遇を求め、カナダ、英国など海外に製作地を移している。
記事のポイント
- トランプ米大統領は、海外製作の映画に100％の関税を課す方針を表明し、国家安全保障上の脅威と位置づけた。
- 米映画会社は税制優遇や補助金を求め、カナダや英国など海外に製作拠点を移している。
- 海外ではキャッシュリベートや税額控除が充実しており、主要スタッフの人件費まで対象となるため、依然として魅力が大きい。
Abstract
On the 4th, President Trump announced plans to impose a 100% tariff on all films produced outside the United States. He argued that foreign governments are attracting American production companies through tax incentives, causing the U.S. film industry to “rapidly die,” and labeled this a national security threat.
トランプ米大統領は4日、米国外で製作されたすべての映画に対し、100％の関税を課す方針を表明した。トランプ氏は、他国が税制優遇策で米国の製作会社を誘致し、米映画産業が「急速に死につつある」と主張。これを国家安全保障上の脅威と位置づけた1。
同日、トランプ氏は商務省など関係機関に対し、海外で製作され米国に送られる全映画に即座に100％関税を課す手続きに着手するよう指示する。
米映画スタジオやメディア大手は、もう何年も前からハリウッドからカナダ、英国、オーストラリア、ニュージーランドなど海外へ製作地を移してきた2。各国政府による税制優遇措置や補助金が大きな要因である。
ディズニーやユニバーサル・ピクチャーズなどの大手も、こうした経済的インセンティブを活用し、製作コストを抑えつつ、現地の優れた撮影環境や人材を取り込んできた。
米国でも近年、州単位で税制優遇を強化する動きが進んでいる。しかし海外制作の魅力は依然として大きい。なぜなら、海外の主要撮影地ではキャッシュリベート（現金還付）や税額控除が用意されており、適用上限も緩やかな上、主要スタッフ（監督、脚本家、主演俳優など、いわゆる「アバブ・ザ・ライン＝ATL」）の人件費まで優遇対象に含まれる場合が多いからである3。
米国外で撮影されたハリウッド映画
- 『トワイライト』シリーズ（カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー）：アメリカの物語ながら、自然豊かなカナダの風景を活用し撮影。
- 『インクレディブル・ハルク』（カナダ・トロント）：アメリカ都市を舞台にしつつ、カナダの都市景観を活用。
- 『アイ，ロボット』（カナダ・バンクーバー）：シカゴが舞台だが、多くのシーンをカナダで撮影。
- 『マトリックス』シリーズ（オーストラリア・シドニー）：ニューヨークの代替としてシドニーの街並みを使用。
- マーベル映画の一部（オーストラリア）：税制優遇や高品質な現地スタッフを活用して撮影。
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- 海外製作映画に100％関税、トランプ氏表明 ハリウッド衰退阻止へ. (2025). Retrieved 13 May 2025, from https://jp.reuters.com/world/security/AXOCNCLCZNJZ7P3FLOBLD6D4M4-2025-05-04/
- 海外製作映画に100％関税、トランプ氏表明 ハリウッド衰退阻止へ. (2025). Retrieved 13 May 2025, from https://jp.reuters.com/world/security/AXOCNCLCZNJZ7P3FLOBLD6D4M4-2025-05-04/
- BY WINSTON CHOPlus IconAUGUST 22, 2024. California vs. the World: The Race to Nab Film and TV Productions. (2025). Retrieved 13 May 2025, from https://www.hollywoodreporter.com/business/business-news/california-film-tv-tax-incentives-1235979740/
