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要約
新たな研究により、シナモンの主成分シンナムアルデヒドが薬物代謝受容体を活性化し、一部の処方薬と相互作用を起こす可能性が示された。特にサプリメントでの高用量摂取には注意が必要とされる。通常の料理使用では問題ない。シナモンは伝統医学やサプリメントで広く使われているが、米当局はその有効性を認めていない。シナモンは古代から利用されるスパイスである。
記事のポイント
- シナモンの成分シンナムアルデヒドが薬物代謝に影響し、一部の処方薬と相互作用する可能性が指摘された。
- サプリメントなど高用量摂取には注意が必要だが、通常の料理使用では問題ない。
- シナモンの健康効果には科学的裏付けが乏しく、米FDAも医療用途として承認していない。
Summary
Recent research indicates that cinnamon may interact with certain prescription drugs. The key compound, cinnamaldehyde, has been shown to activate receptors involved in drug metabolism, suggesting caution for individuals with chronic illnesses or those using anticoagulants. While regular culinary use is considered safe, excessive intake through supplements may pose risks. Although cinnamon is widely marketed for diabetes management, weight loss, and inflammatory conditions, the National Center for Complementary and Integrative Health (NCCIH) states there is insufficient scientific evidence to support these claims, and the U.S. FDA has not approved cinnamon for therapeutic use. Cinnamon, derived from the bark of evergreen trees in the Cinnamomum genus, has been utilized since ancient times for its distinctive flavor and aroma.
シナモンが一部の処方薬と相互作用を起こす可能性があることが、新たな研究により明らかになった1。シナモンは世界各地で伝統医学やサプリメントとして広く利用されているが、特にサプリメントなどによる高用量摂取には注意が必要であることが示唆されている。
学術誌「フードケミストリー:モレキュラーサイエンス」に掲載された研究によると、シナモンの主成分であるシンナムアルデヒドが、薬物代謝に関与する受容体を活性化することが確認された。これにより、慢性疾患の患者や抗凝固薬を使用している人は、摂取に際して特に注意を要する。ただし、通常の料理で用いられる範囲では問題ないとされている。
現在、シナモン製品は糖尿病の補助療法、減量促進、花粉症や炎症性疾患の緩和などを目的にサプリメントとして販売されている。しかし、米国立補完統合衛生センターは「いかなる健康疾患に対してもシナモンの有効性を支持する明確な研究は存在しない」と指摘し、米食品医薬品局(FDA)もシナモンを医療用途で承認していない。
シナモンは、クスノキ科ニッケイ属の常緑樹の樹皮を乾燥させて作られるスパイスである。甘くスパイシーな香りとわずかな辛みを持ち、世界最古のスパイスのひとつとして、紀元前から人類に利用されてきた2。
シナモンとは?
- シナモンは、クスノキ科ニッケイ属の常緑樹の樹皮を乾燥させて作られるスパイス。
- 世界最古のスパイスのひとつで、紀元前から利用されている。
- 独特の甘い香りと温かみのある風味、わずかな辛みが特徴。
- 主に「セイロンシナモン(真シナモン)」と「カシア(中国・東南アジア産)」の2種類がある。
- セイロンシナモン:繊細で上品な甘い香り、樹皮が薄く柔らかい。主にスリランカ産。
- カシア:香りが強くスパイシーで、樹皮が厚く硬い。主に中国やベトナム、インドネシア産。一般的な市販品はカシアが多い。
- スティック状やパウダー状で流通し、デザート、飲み物、カレーや煮込み料理など幅広く利用される。
- カシアには「クマリン」という成分が多く含まれ、過剰摂取には注意が必要。
- 日本では「ニッキ(肉桂)」とも呼ばれ、漢方では「桂皮(けいひ)」として使われることもある。
- 古代エジプトでは香料や防腐剤としても利用されていた歴史がある。
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