sergei akulichによるPixabayからの画像
近年、銅の需要が急増している。脱炭素社会のへの実現に向け、各国が普及を進める再生可能エネルギーや電気自動車などの技術に、銅は使われているためだ。
銅は、電気を通しやすく、さびにくく丈夫で、加工やしやすいのも要因に。それだけでなく、そもそもスマートフォンやパソコンなどに用いられる基盤には、銅が使用されてきた。
アメリカ・ワシントンに拠点を置く国際銅協会によると、現在、世界で使用されている銅は毎年、2500万トンほど。それが、2050年には5000万トンほど必要になるという。
さらに脱炭素に向けた需要を合わせると、計5700万トン必要になってくるとも。
一方、市場調査会社S&Pグローバルの報告書によると、現在の銅の算出量のペースでは、2030年ごろから需要が追いつかないとも。
銅の価格も急騰している。980~2000年代前半までは1トンあたり1500ドル~2000ドル程度だったものが、中国の急速な経済発展と世界のIT化により、需要が急増。
さらに、そこに脱炭素社会に向けた需要も重なり、2020年以降は1トンあたり6000~9000ドルと、2倍~6倍にもなった。
「ここをもう一度掘るんだ。鉱山で働けばマクドナルドの給料の3倍になる。とてもうれしいね」
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カナダ北部にあるケベック州シブーガモで銅を採掘するスタートアップ企業「ドレ・カッパー・マイン」の現地責任者は、鉱山一体を案内しながら、そう話した。
あたりは、地下をドリルで掘った跡が無数にあり、銅鉱石がいたるところに転がっている。
この場所は、約50年間、別の会社が銅を採掘していた場所だ。しかし2008年に閉山。だか、ドレ社は2017年に買い取り、再開発することなった。同社の社長は、
「カナダやアメリカでは、過去の銅山を再開発しようとするプロジェクトが他にもある」
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と説明。同社は2026年に年間2万3000トンの銅の生産を目指すといい、日本を含む世界中に輸出するという。
銅とは
銅と聞いて、真っ先に浮かぶのは10円玉ではないのだろうか。しかし銅を使っている硬貨はほかにもある。5円、50円、100円、500円玉硬貨にも銅が使用されている。