アメリカ政府はこれまでもマドゥロ政権を「民主主義を抑圧する独裁体制」と非難してきたが、一方で中南米におけるアメリカ影響力の再確立という思惑や、豊富な石油資源を巡る戦略的利害も存在する。作戦には150機を超える軍用機が動員され、数カ月前から計画されていたことも明らかになっており1、その規模と準備状況から見ても、今回の攻撃を「限定的介入」と呼ぶには無理がある。
国際社会の反応は慎重だ。旧宗主国であるスペインは声明で「国際法に沿った行動」を求めたものの、同盟関係を背景にアメリカを名指しで批判することは避けた。
一方、米国内政治に目を向けると、トランプ大統領がマドゥロ氏拘束を「独裁者打倒の成功」と自賛する中で、しかしMAGA陣営の反応は一枚岩ではない2。フロリダを中心とする反社会主義右派は、麻薬対策や移民問題解決の象徴として軍事行動を歓迎するが、伝統的なアメリカ・ファースト派は海外介入の長期化を警戒し、「イラク戦争の再来」への懸念を強めている。
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1米軍による今回の攻撃は、長年にわたる米国とベネズエラの対立が臨界点に達した結果といえる。 2アメリカ政府はこれまでもマドゥロ政権を「民主主義を抑圧する独裁体制」と非難してきたが、一方で中南米におけるアメリカ影響力の再確立という思惑や、豊富な石油資源を巡る戦略的利害も存在する。
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