SNSは「個人の自由」では守れない 公共的管理へ向かう世界 「アルゴリズムを鍛える」幻想の限界 子どもを”市場化”しないための規制論を!

IT
この記事は約10分で読めます。
スポンサーリンク

 未成年者へのマーケティングは、幼少期の判断力や感情的な信頼しやすさを利用して消費行動を誘導する行為であり、戦後日本ではアニメ・漫画・テレビを通じた感情訴求型の手法として定着してきた。この構造が、SNSの普及によって質的転換を遂げている。

 SNS問題の核心は広告表示の是非ではなく、プラットフォーム設計そのものが中毒性を内包し、子どもの脳に報酬ループを形成する点にある。WHOが指摘するように1、デジタル・マーケティングは常時接続性と個別最適化によって、従来のテレビCMを上回る影響力を持ち、健康被害や発達阻害といった外部不経済を社会全体に拡散させる。

 したがってSNS規制は、表層的な広告制限にとどまるものではなく、ゾーニングやSafety by Design(設計段階での安全義務化)を通じて、企業と利用者の間に存在する情報の非対称性を是正する公共介入として位置づけられるべきである。

 スウェーデンの児童向け広告禁止法やWHO・UNICEFの知見が示すように2、子どもを市場参加者ではなく保護対象と捉える価値観への転換こそが、日本社会、そして世界における健全な情報環境を再構築するための前提条件となる。

1この言葉はただはSNSの運用や情報リテラシーに関心の高い一部の層だけで広まり、多くの利用者にとってSNSは、流れてくる情報に反応するだけの受動的なメディアにとどまっている。 2未成年者のデジタル環境をどう守るかについては、ペアレントコントロールの理論からも検討すべきだ。 3SNS規制は、未成年者へのマーケティングという視点から再検討されるべき課題である。 4これらは一見すると、広告表現の問題と言論空間の統制は別個の論点に見えるが、いずれも子どもの認知的未熟さを前提に設計された消費誘導の構造という点で本質的に結びついている。

マウスオーバーか長押しで説明を表示。
  1.  WHO (2022). WHO guideline for regulating digital marketing of foods and non-alcoholic beverages to protect children 
  2. WHO & UNICEF (2016). Guidance on Ending the Inappropriate Promotion of Foods for Infants and Young Children 
Translate »
PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました