強きものは護り、弱きものを叩く。日本では、皇室さえ弱きものに

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Armin ForsterによるPixabayからの画像 

 10月26日、秋篠宮ご夫妻の長女眞子さまと小室圭さんがご結婚された。眞子さまはこれまで生活について、

 皇族としての仕事を自分なりにできるかぎり大切に果たそうと努めてまいりました。この30年間、たくさんの方々に助けられ守られ、支えられてきました。心を込めて私と一緒に仕事をしてくださった方々に心から感謝申し上げます

とお話しされた。

また、眞子さまは、小室圭さんとの結婚について、

 さまざまな考え方があることは承知しております。ご迷惑をおかけすることになってしまった方々には大変申し訳なく思っております。

 また、私のことを思い静かに心配してくださった方々や事実に基づかない情報に惑わされず変わらずに応援してくださった方々に感謝しております。私にとって、圭さんはかけがえのない存在です。

 そして私たちにとって結婚は自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択でした

と語られた。



 小室圭さんと眞子さま夫妻にとっては、この4年間はさぞ、お辛い時間であっただろう。

 この4年間で分かったことは、日本という社会が“1億総中傷社会“であること、さらにその中傷の発火点は、以前から指摘されていた個人SNSアカウントではなく、週刊誌や既存メディアのワイドショーであり、SNSは、ただそれはダラダラと炎症させる二次被害に過ぎないことだ。

 そもそも今回の“炎上“の発火点も最初に小室圭さんのスキャンダルを報じた週刊女性である。一般人が、小室さんのような人物のスキャンダルをSNSに書き込むことは不可能だ。

 日本のマスメディアのスキャンダル報道に共通するものがある。それは、強気ものは護り、弱きものは徹底的に叩くということ。

 分かりやすい例では、芸能人のスキャンダル報道だ。ジャニーズ事務所や大手芸能プロダクションに所属するタレントのスキャンダルはあまり報道されず、個人事務所や弱小事務所に所属するタレントが関わったスキャンダルの方が、圧倒的に報道されやすい傾向がある。

 その中でもジャニーズ系は、週刊文春以外、週刊誌ではスキャンダルは圧倒的に報道されない。たとえ報道されたとしても、それは「事務所のゴーサイン」があって始めて報道される。

 なぜなら週刊誌を発行する出版社は、ジャニーズタレントの写真集やカレンダーを発行するため、“忖度“をしてしまうのだ。

 ジャニーズのタレント以外も、それなりにスキャンダル対策をする芸能事務所は、何らかの方法でさまざまな圧力をかけ、報道を止めたり、“裏取引“をする傾向がある。

 さらに、既存の週刊誌の報道に基づいて、詳細を報じるのがテレビのワイトショーであるが、彼らとて、何もかも報道する力はない。テレビ局は、別番組でワイドショーやドラマを放送し、そこにタレントを出演“してもらう“立場だ。

 運命共同体であり、ワイドショーで報じられるタレントも、言葉は悪いが、著しく人気を落とし、自局とは利害共通のない落ちぶれたタレントか、薬物など犯罪を犯したタレントにとどまる。

 “文春砲“で名を馳せる週刊文春も例外ではない。 週刊文春は、比較的“タブー“がなく、どのようなスキャンダル報道も行う傾向は、他誌よりは強いが、それでも大手コンビニに関する経済系スキャンダルはご法度だ。

 たとえば、近年ではセブン-イレブン加盟店のオーナーの自殺者が相次いでいるといわれるが、文春は報じない。なぜなら、セブン-イレブンの書棚に当たり前のように文春が置いてあるという非常に分かりやすい構図があるためだ。

 さらに文春をめくると分かるが、比較的大手企業の広告もあるため、それら広告主のスキャンダルは報道しづらいことは容易に想像がつく。近年では、JRやトヨタのスキャンダルが報道されない傾向にある。

 また、文春に限らず、週刊誌は出版社が発行するため、作家やコミック系作家のスキャンダルもあまり報道されない。

 その昔、「噂の真相」という月刊誌があった。「タブーなき報道」を掲げ、広告主もアダルト系がほとんどであり、その姿勢は徹底していた。もちろん、ジュニーズ系のスキャンダル報道もバンバン報道していた。

 しかしながら、特筆すべきことは、この噂の真相は同時に「反政治権力・反権威スキャンダル」を掲げていたこと。

 とくに、“社会的弱者“のスキャンダルは一切しなかった。その中でも、犯罪加害者や、あるいは皇室スキャンダルについては、「天皇制の継続」のためなら何でもする宮内庁への批判記事が多かった。

 今回も、噂の真相なら、眞子さま・小室圭さんへの批判記事など一切書かなかっただろう。その点で言えば、所詮、週刊文春といえど足元にも及ばない、ジャーナリズム精神があった。

 結局のところ、日本は「強きものは護り、弱きものは徹底的に叩く」のが、大手マスディアの習性だ。

 皇室さえ例外ではなく、“天皇“本人への批判は一切避けるが、その家族への批判記事はバンバン書く。さらに、それに「天皇家よりも天皇制の存続が重要な」宮内庁が拍車を掛け、巧妙なリーク記事を週刊誌に流す。

 しかし、その構図は所詮、「いじめ」そのものであり、ジャーナリズムとはほど遠いものなのだ。

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