知床遊覧船沈没事故 何が問題だったのか ~2~ 「小さな政府」の成れの果て 30万隻の船をわずか138人で検査

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Christoph SchützによるPixabayからの画像

 知床半島近辺では、今回の事故だけでなく、いくつもの事故が起きていた。

 2007年には、捕鯨船とウォッチング船が衝突の寸前まで近づく事故が、最近でも2017年には運航中の遊覧船と船長がスクリューに絡んだロープを外そうとして、海に潜り、行方不明になるなど、座礁を含め、事故が多発、そのたびに行政による検査や指導は行われている。

 しかしながら、現行法のままでは本当に処罰をできるかさえ、疑わしい。たとえばJR西日本が起こした「福知山線脱線事故」は、検察が事故当時の社長を起訴、歴代の3代の社長は検察審議会の起訴議決により起訴されたものの、すべて最高裁により無罪判決が確定している。 

前回までの記事→
知床遊覧船沈没事故 何が問題だったのか ~1~ 事故発生までの経緯

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競争過多、加熱するサービス、事故多発

 
 事故の背景には、新規参入する事業者の急増と運航会社各社の「加熱サービス」があったことも指摘されている。

 知床半島付近は、2005年に世界遺産に登録されたあと観光客が急増、それとともに新規参入する事業者も増えた。結果、各社はいわば「加熱サービス」ともいえる危険な運航ルートを開拓、それとともに事故も増えていく。

 北海道東部の斜里町と羅臼町にまたがる手つかずの自然が残る知床半島近辺は、2005年7月に世界遺産に登録、観光客も急増した。

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