Juraj VargaによるPixabayからの画像
新型コロナウイルスの第7波の到来とともに、今一度、「マスク」問題についての議論をしたい。
感染対策の徹底が求められる一方、猛暑が続く中で、ただやみくもにマスクをつけていては、体調の悪化につながる。
日本救急医学会は、健康な成人の場合は、マスク着用の有無で熱中症へのリスクは変わらないとはしているものの1、しかし、炎天下でのマスクの着用は息苦しいことは間違いない。
実際、世界における「マスク着用率」は、日本が突出2。
日本リサーチセンターがイギリスのYouGov社と提携し実施した新型コロナへの予防策としてのマスク着用率の調査では、調査対象となった世界14カ国・地域の中で、2022年4月までの1年間、日本が85%以上と最も高かった。
WHO(世界保健機関)は、マスクの着用について、
「できることは全てやろう!」という包括的アプローチの一環として行われる必要
WHO、3 2022年3月31日
とはいうものの、
マスクをしていれば、人と密接に接触して良いというわけではありません。
とし、「マスクをすれば、すべてOK」とはいっていない。
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マスクをめぐる科学
当初、マスクの着用について、WHOの見解は、
症状がなければマスク着用は必要ない。
とのスタンスだった。
事実、WHOは従来から、自覚症状のない人も含め、広範なマスクの利用は、
効果が明らかでない。
と否定的。また、現在においても、十分なデータがないとする姿勢には変化がないという。
ただ、新型コロナが潜伏期間中も感染する可能性も判明してきたことから、
発症前の人から感染するリスクを減らせる。
などの利点を示し、これまでの見解を修正。ただ、このWHOの指針の特徴として、あくまで、無症状の感染者からの感染の拡大を阻止するためにマスクが着用であること。
すなわち、「他人に感染させないために」マスクが必要であり、自分自身が感染しないためにマスクをするものではない。