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要約
新潟市で50代女性が、要冷蔵の総菜を常温で2か月間保存後に摂取し、ボツリヌス菌による重篤な食中毒を発症。全身麻痺の症状で入院した。本件は、食品の適切な保存や消費者の認識不足、食品表示の重要性を示している。ボツリヌス菌は密封された環境で増殖しやすく、不適切な保存は危険。さらに、気候変動による気温上昇も常温保存の概念に影響を与え、食品安全管理の強化が求められている。
記事のポイント
・50代女性が要冷蔵の総菜を2か月間常温保存後に喫食し、ボツリヌス菌による重篤な食中毒で入院。
・食品の適切な保存に対する認識不足と食品表示の重要性が課題として浮き彫りに。
・気候変動による気温上昇も食品の保存環境に影響を及ぼし、安全管理の重要性が増している。
新潟市で50代女性がボツリヌス菌による重篤な食中毒を発症し、全身麻痺の症状で入院した。この事例は食品安全の重要性を再認識させるものである。女性は2024年11月頃、市内の食料品店で密封容器包装された要冷蔵の総菜を購入。しかし、この食品を約2か月間常温で保管し、2025年1月20日頃に喫食1。摂取時にはブルーチーズのような異臭や異味を感じていたものの、そのまま食べた2。
本件は、食品の適切な保存方法に関する消費者の認識不足と、食品表示の重要性を浮き彫りにしている。ボツリヌス菌は酸素のない環境下で増殖し、強力な神経毒素を産生するため、密封された食品の不適切な保存は特に危険だ。
また、食品の常温保存に関する課題は多岐にわたる。第一に、密封された食品は長期間常温保存が可能であるという誤解が広がっている点が挙げられる。次に、食品表示が不十分または分かりにくいことも、安全性の低下につながる要因である。
さらに、買い置きした食品の存在を忘れる、あるいは適切な保存を怠るケースも少なくない。加えて、気候変動による気温上昇も従来の常温保存の概念に影響を及ぼしている。日本産業規格(JIS規格)では常温を5℃~35℃と定義しているが、近年の猛暑ではこの範囲を超える気温が頻繁に観測され、食品の安全管理が一層重要になっている。
日本と欧米の常温保存ルールの比較
- 日本の「常温」定義:
- 日本工業規格(JIS):5℃~35℃
- 日本薬局方:15℃~25℃
- 厚生労働省:「外気温を超えない温度」
- アメリカの食品保存ルール:
- FDA推奨:冷蔵庫温度40°F(約4.4℃)以下
- 牛乳や卵は基本的に冷蔵保存
- 卵の保存方法は殺菌方法により異なる場合あり
- EU(欧州連合)の食品保存ルール:
- EU食品安全機関(EFSA)が食品ごとに詳細な保存基準を設定
- より柔軟な保存ルールを採用
- 未洗浄の卵は常温保存可能、冷蔵を避けるよう規制
- 日本と欧米の違い:
- 日本:定義が機関によって異なり、一貫性に欠ける
- 欧米:より明確な温度範囲が設定され、消費者にとってわかりやすい
- EU:食品の特性や生産方法に応じた柔軟なアプローチ
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- 要冷蔵なのに常温保存2カ月 ボツリヌス菌 50代女性搬送[2025/02/12 19:26]. (2025). Retrieved 13 February 2025, from https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000404204.html
- “ボツリヌス菌”による食中毒で50代女性が重症 11月ごろ購入の要冷蔵食品を常温保管…ブルーチーズのような臭いや味も 全身に麻痺症状. (2025). Retrieved 13 February 2025, from https://news.nsttv.com/post/20250211-00000001-nst/