【有料記事】米軍、イラン本土を初空爆 核施設を精密攻撃「真夜中のハンマー作戦」 イスラエル・イラン衝突、戦局は新たなフェーズへ

中東
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OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像

要約

イスラエルとイランの軍事衝突は、アメリカの軍事介入を契機に国際的な危機へと発展した。

6月13日、イスラエルがイランの核関連施設や軍高官の居住区を奇襲攻撃し、イランはイスラエル本土へのミサイル攻撃で応戦。両国は1週間にわたり相互空爆を繰り返し、戦闘が激化した。

6月21日未明、アメリカは「真夜中のハンマー作戦」を発動し、B-2爆撃機とトマホーク巡航ミサイルでイランの主要核施設(フォルドゥ、ナタンズ、イスファハン)を精密攻撃。これによりイランの核計画は数カ月間の後退を余儀なくされたが、完全破壊には至らなかった。

これは米史上初のイラン本土への空爆であり、イスラエルと連携した初の軍事行動となった。米国はこれまで全面戦争回避のためイラン本土攻撃を慎重に避けてきたが、今回は軍事手段を選択。核拡散阻止と同盟国防衛を掲げた政策転換と位置づけられる。

記事のポイント

  • イスラエルとイランの軍事衝突が米軍の核施設空爆を契機に国際危機へ拡大。
  • アメリカは史上初めてイラン本土を空爆し、中東戦略が大きく転換。
  • イラン核施設への精密攻撃は核開発の後退を招いたが、完全破壊には至らず。

Summary

The military conflict between Israel and Iran escalated into an international crisis following the U.S. military intervention.

On June 13, Israel launched a surprise attack on Iranian nuclear facilities and the residential areas of high-ranking military officials, and Iran responded with a missile attack on the Israeli mainland. The two countries repeatedly bombed each other for a week, and the fighting intensified.

Early on June 21, the U.S. launched Operation Midnight Hammer, a precision strike on Iran’s main nuclear facilities (Fordow, Natanz, and Isfahan) with B-2 bombers and Tomahawk cruise missiles. This set back Iran’s nuclear program for several months, but did not result in its complete destruction.

This was the first U.S. airstrike on the Iranian mainland in history and the first military action coordinated with Israel. In the past, the U.S. has carefully avoided attacking the Iranian mainland to avoid all-out war, but this time it chose military means. This is positioned as a shift in policy to halt nuclear proliferation and to defend its allies.

Translated at DeepL

 イスラエルとイランの軍事衝突は、アメリカの軍事介入を契機に、一気に国際的な危機へと拡大した。6月21日未明、米軍はイラン領内の主要核施設に対し大規模な空爆を実施し、戦局は決定的な転換点を迎える。

 紛争の発端は、6月13日にイスラエル空軍がイランの核関連施設、ミサイル基地、軍高官の居住区を奇襲攻撃したことにある1。イラン政府はこれを「存在的脅威」に対する先制攻撃と位置づけ、即座にイスラエル本土への弾道ミサイル攻撃で応戦。以降、両国は1週間にわたり相互空爆と報復攻撃を繰り返し、戦闘は急速にエスカレート2

 そして6月21日未明、アメリカは「真夜中のハンマー作戦(Operation Midnight Hammer)」を発動。B-2ステルス爆撃機と潜水艦発射型のトマホーク巡航ミサイルを投入し、フォルドゥ、ナタンズ、イスファハンにあるイランの核施設を精密攻撃3

 この作戦により、イランの核開発拠点は深刻な被害を受け、核計画は数カ月間の後退を余儀なくされたとされる4。ただし、地下深部に設置された遠心分離機などの一部は無傷で残ったとの見方もあり、完全な破壊には至らなかった可能性も指摘5

 ただ今回の軍事介入は、米国史上初めてイラン本土に対して行われた空爆であり、イスラエルとの連携の下での作戦遂行は、中東の戦略環境に重大な変化をもたらしただろう。

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米・イラン関係の歴史的転換点──初の本土攻撃がもたらす波紋

 アメリカとイランの関係は、1979年のイラン・イスラム革命を境に大きく変化。それ以前は同盟関係にあった両国だが、革命以降は長らく敵対関係が続く6。両国はこれまで幾度となく軍事的な衝突が起きてきたが、しかしいずれもイラン領土外での限定的な武力行使に留まっていた。

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