コロナ禍のなかジェネリック医薬品の供給が不足 原因は製造メーカーの不祥事がきっかけ 後発品供給の性善説「高い倫理観」はどこいった? 日本の医療費をめぐる問題

Peggy und Marco Lachmann-AnkeによるPixabayからの画像

 ジェネリック医薬品の不足が、昨年夏ごろから続いている。原因は、ジェネリック医薬品の製造メーカーの不正がきっかけ。

 業界団体の調べによると、今年5月の段階で2500品目、ジェネリック医薬品のじつに4分の1の出荷が滞っていることがわかった1

 昨年、ジェネリック医薬品メーカー大手の「日医工」を含む8社で製造上の違反が発覚。業務停止命令が出され、出荷の停止が相次ぐ。そのころから、供給に滞りが起き始めた。

 メーカー不正の発端は2020年12月にわかった福井県のメーカー「小林化工」が製造した水虫などの真菌症の治療薬に睡眠導入剤の成分が混入した不祥事。

 服用後に意識を失い倒れ込むなどの健康被害が出た人が240人にのぼり、なかには車の運転中に事故を起こしてけがをするケースもあった2。不祥事はほかのメーカーでも。大手3社のひとつ日医工でも不祥事が発覚。

 ただ、近年、精神科通院歴20年を超える筆者自身、近年、国の積極的なジェネリック医薬品導入の結果、医薬品が占める医療費負担が驚くほど減っている。ジェネリックをめぐる医療現場はどうなっているのか。

ジェネリック医薬品とは


 ジェネリック医薬品は、先発する医薬品を開発したメーカーの特許期間が過ぎたあとに他のメーカーが同じ有効成分の薬を製造販売するもの。

 ジェネリック医薬品は一般的に有効性や安全性を確かめる研究開発のコストが抑えられるため、新たに販売されるジェネリック医薬品の価格は、一律に先発医薬品の5割りと定められている。

 内服薬については、10品目を超えてジェネリック医薬品が製造販売される場合、さらに4割まで引き下げられた3

 日本においてジェネリック医薬品の普及は長年の課題とされてきた。アメリカやイギリス、ドイツ、デンマークではジェネリック医薬品7割を占めていたのに対し、日本はかつて1割程度にとどまっていた(2006年時点)。