Doris MetternichによるPixabayからの画像
3月に終了した日本テレビの情報番組「スッキリ」の動物園のロケで、お笑い芸人のオードリー・春日俊彰がペンギンのいる池にわざと落ち、批判を浴びた。
批判を受け、日本テレビは謝罪したものの、問題の本質は日本のテレビ局の動物福祉(アニマルウェルフェア)への意識や取り組み不足だ。
事件は3月24日に起きた。栃木県の「那須どうぶつ王国」からの生中継で、ペンギンに餌をあげていた春日が、番組司会の加藤浩次から”促されるように”して池から3度落下。ペンギンたちは逃げ惑った。
動物園側はすぐに厳重抗議。日本動物園水族館協会(JAZA)も、
「動物に対する敬いの気持ちを忘れて単に笑いの対象とするような行為は認められない」
とする声明を発表した。
このことに対し、東海大学の伊藤秀一教授(動物福祉学)は、朝日新聞の取材に対し、
「出演者ではなく、テレビ局が動物に笑いや感動を求めるなどの問題が根本のあると考えられます」
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と厳しく批判。そのうえで、突発的な刺激が動物のショック死やケガにつながる危険性を指摘し、
「世界的に動物福祉への配慮が必要になっている中で、問題がある行動だった」
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とした。
動物福祉とは何か?
動物福祉とは、1960年代に提唱され始めた考え方。基本となるのは、人が動物を利用するとき、飢えや不快、恐怖などを強いられない