Peggy und Marco Lachmann-AnkeによるPixabayからの画像
教員不足が相変わらず続いている。教育現場では、産育休や病欠などで教員が現場を離れても、その穴を埋める代役の教員を確保できず、欠員がつづく。
また精神疾患による退職、特別支援学級の増加も教員不足の要因となっている。
子どもの側からみれば、話に耳を傾けてくれる担任がいなくなったり、ある科目を専門とする教員が不在となり、そのことで専門外の教員による授業を受けなければならないなどの影響がある。
文部科学省が6月にまとめた調査結果によると、今年4月の前年同月を比べて、公立の小中高で教員不足が「悪化した」と回答した教育委員会は4割に上っている。
これに対し、文科省は、
「改善傾向はみられるが、依然として課題」
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とし、免許はあっても学校現場にいない「ペーパー教員」の復帰を助ける研修の充実といった取り組みを各教委に促している。
一方、全日本教職員組合(全教)などが組合員らを通して集計したところ、今年5月時点で26都道府県・5政令指定市で教員の欠員は計2082人だったという。
学校で教員の欠員が生じた場合、これまでは、教員免許はあっても教員の採用試験に不合格だった人らを臨時講師として雇うなどして穴埋めしてきた。
しかし近年は、教員に正規採用される人が増えており、臨時講師のなり手より補充ニーズが上回って欠員が埋まらない・・・。文科省は教員不足のメカニズムをそう分析する2。
東京都は欠員が小学校で約50校に計約50人いる状態で2022年度の始業日を迎えた。学校校数は全公立小の4%程度だが、都では年度初めの欠員自体が珍しく驚きが広がったという。
ある校長は、
「臨時採用の候補者名簿を見て200人近く電話したが『企業に就職が決まった』などと断られた」
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という。
なぜ? 自民党政権の”悪しき改革”
なぜこのような事態に陥ってしまったのか。その答えは、2000年以降の自民党政権の”悪しき改革”にある。