隠れた裏テーマは、”父性の不存在”。

Design a New Society
隠れた裏テーマは、”父性の不存在”。
個人的に今まで観た映画で、”ちゃんと3Dになってる”と実感できたのは、「アバター」シリーズのみなので、進化した映像には驚くばかり。
いきなり、サッカーW杯カタール大会のシーンが始まるあたりは、アメリカでもサッカー人気というものが、確実に根付いていることを感じさせる。
名作、リドリー・スコットの「ブラックホーク・ダウン」を上回る、圧倒的な臨場感と生々しさ。
250億円もの予算が掛けられた大作を、映画館ではなく、スマホの小型の画面で観るという贅沢。
何事も終わらなければならない。このころのMCUには、はっきりと”終わり”が見えていた。
時代を超えて、障害を超えて、ジェンダーを超えて。
興味深い題材にもかかわらず、心に響かないのは1600キロに及ぶ直線を貫くという超自然的なプロジェクトにもかかわらず、やや人間ドラマに寄りすぎたからか。
明らかなアメリカ(NATO)側の先制攻撃が、実際にこの映画のように堂々とできるのなら、世界はより平和になっている。
過度な官僚信仰を描いた「シン・ゴジラ」から一転、コロナ禍を経て日本の管理組織が全く機能していなかったことが分かった今、本作の「もはや人類は立ち尽くすのみ」という構図は、「シン・ゴジラ」よりもうまくはまっている。