リーグの根底には「地域クラブによる社会的価値創出」と「興行としてのエンターテインメント性」を同時に実現しようとする明確な設計思想がある。
その延長線上に位置づけられる2026年の「B.革新(B.REVOLUTION)」は、単なるリーグ制度改革にとどまらず、スポーツを軸とした都市・経済・文化の再構築を志向する取り組みである1。リーグが掲げる「世界第二位のバスケットボール・リーグ」という目標2も、競技水準の向上にとどまらず、日本のスポーツ産業全体の質的転換を見すえたものといえる。
国内的にみれば、Bリーグは野球やサッカーと競合するのではなく、「共存共栄」を前提としたポジションを確立しつつある。バスケットボールが提示するのは、試合に限らず多目的に活用できる「全天候型アリーナ」を核とした都市型エンターテインメント空間であり、通年稼働によって地域経済を支えるインフラとなりうる。
Bリーグが目指すべきは、NBA的エンターテインメント性とJリーグ的な地域共同体文化を融合させたハイブリッド的な構造であり、これこそが日本の社会に適合した持続可能なスポーツモデルともいえるだろう。
1バスケットボールは、19世紀末のアメリカ社会において、都市化にともなう若者の運動不足や精神的荒廃に対処するために、規律と道徳を育成しようとする教育的要請の中から生まれた。 2日本のバスケットボールの歴史は、競技誕生の瞬間から日本人が関与していた点に大きな特徴がある。 32016年に誕生したBリーグは、分裂していた日本バスケットボール界を統合し、競技の産業化と地域密着を両立させる新しいプロスポーツモデルとして出発した。 4その後、観客動員やスポンサー収益は着実に拡大し、短期間で国内主要スポーツリーグの一角を占める存在へと成長してきた。
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