沖縄本土復帰50年 なくならない基地負担 本土復帰により、むしろ沖縄に基地が集中

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David MarkによるPixabayからの画像

 6月23日、沖縄県は太平洋戦争末期の沖縄戦の戦没者を悼む「慰霊の日」を迎えた。 沖縄の地上戦では、一般住民9万4000人を含む20万人が犠牲となり、それから77年目を迎える。

 23日には、最後の激戦地となった糸満市摩文仁にある平和祈念公園で、県などが主催する沖縄全戦没者追悼式が営まれた。

 沖縄県知事である玉城デニー知事は平和宣言で、

 二度と沖縄を戦場にさせないために、核兵器の廃絶、戦争の放棄、恒久平和の確立に向けた絶え間ない努力を続ける。

西日本新聞1

と語る。

 追悼式は、コロナ渦が収まらない中、高齢化する遺族に配慮し、3年連続で規模を縮小して行われた。しかし、参列者は沖縄県で緊急事態宣言が出ていた昨年の36人から327人と大幅に増えた。首相も、3年ぶりに出席する。

 今年、沖縄は本土復帰から50年を迎える。

 しかし、実際には、沖縄は

基地のない平和な島

西日本新聞6月24日付朝刊

を目指したはずだった。結局、それは実現していない。

 玉城知事は、現在もなお、在日米軍専用施設の7割が集中し、基地関連の事件や事故、騒音、そして近年問題となっている水質汚染などの問題を指摘したうえで、

基地問題の早期解決を図ることを強く求める。

とし、

 基地の整理縮小や普天間飛行場に名護市辺野古移設の断念を、改めて訴えた。

 岸田文雄首相も3年ぶりに出席した首相として、

 沖縄には米軍基地の集中による大きな負担を担っていただいている。負担軽減の目に目る成果を一つ一つ着実に積み上げる。

西日本新聞6月24日付朝刊

と述べる。しかしながら、辺野古移設については、昨年にビデオメッセージを寄せた菅義偉前首相に引き続き、言及はしなかった。

 沖縄県にある米軍基地では、近年、水質汚染の問題が起きている2。米軍基地周辺の河川や浄水場など合計15の地点で、発がん性が疑われる有機フッ素化合物が高濃度で検出された。

 沖縄県は、基地内に汚染源があるとみて、立ち入り調査を求めているが、米軍側は応じていない。基地の管理権を定めて、日米地位協定が存在するためだ。

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返還の裏にあった密約


 5月15日で、沖縄は本土復帰50年を迎える。しかし、実際には沖縄は、完全に日本に返還されたわけではなった。

 正確には、沖縄の施政権を返還するにあたり、当時の日本とアメリカとの間では、米軍が沖縄の基地を自由に使用し続けることを認めるという「密約」が存在していた。

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