京セラの創業者で名誉会長でもあった稲盛和夫氏が、8月24日午前、老衰のため京都市の自宅で亡くなった。90歳だった。
1955年に鹿児島大学を卒業。京都のメーカーを経て、59年に京都セラミック(現・京セラ)を創業。
セラミックを用いた電子部品で業績を伸ばし、一代で売上高1兆円超、グループ従業員約8万3000人1の世界的メーカーに育てる。
1980年代には、電気通信業の自由化の流れの中、第二電電企画(現・KDDI)を84年に創設。情報通信分野へ参入するとともに、携帯電話の事業化に尽力した。
会長を経て、97年に名誉会長に退いたあとも、経営破綻した複写機メーカーである三田工業(現・京セラドキュメントソリューションズ)に経営再建を手掛ける。
2010年には、「政府の強い要請」1により、経営危機に陥っていた日本航空の会長に就任。”無給”で再建を指揮する。業績を再建させるとともに、12年に東京証券取引所第1部への再上場を果たす。
一方、稲盛氏いえば、”元祖ブラック経営者”と指摘してもよい人物。よく「経営の神様」といわれるが、本当にオカルトチックな”神様”であったので始末に負えない。
しかし卓越した”手腕”は、マスコミ方面へも及んだか、それを指摘するメディアは皆無だった。
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「アメーバ経営」という名のブラック手法
稲盛和夫氏が実践してきた経営哲学として、「アメーバ経営」なるものがある。京セラのみならず、2017年時点で749の会社に導入されたとされ2、経営破綻した日本航空の再建にも活用されたという。
その最大の特徴は、会社を10人未満の小さな組織(アメーバ)の集合体のようにして、日々の経営を行なっていくこと。
もとは、すべての部門を把握できなくなった稲盛氏が、
中小企業の集合体、つまり独立採算制の組織がたくさんあるイメージで経営しよう。
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