新型コロナウイルス感染症最新状況 変異株XBB.1.5、アメリカで猛威 2類から5類へ引き下げ、「段階的に」 感染死、納体袋不要に

Nicky ❤️🌿🐞🌿❤️によるPixabayからの画像

 新型コロナウイルスが再び猛威を振るい始めている。厚生労働省が専門家組織における会合に提出した資料によると10日までの直近1週間に全国で報告された新規感染者は前の週から1.28倍、全ての都道府県で増加した。

  専門家組織の脇田隆字座長は、年末年始の医療機関の休診や検査の減少により前週の感染者数の報告が減った影響があるとするも、しかし、

 「いずれにしろ高い感染レベルだ」

1 

 とする。

  厚労省の集計では、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は、全国で934人。最多は宮崎県で1893人、続いて佐賀県で1701人と西日本の多くで1000人を超える2

 前週比では、石川や徳島、鹿児島、沖縄でも1.5倍を超えた3

  病床使用率も全国的に上昇傾向。救急車の到着後も搬送先が決まらない「救急搬送困難事案」も増加が続く。

  一方、国内で11日に報告された死者は520人で、1日当たりの公表数としては過去最多を記録。脇田座長は死者数増加の要因について、

 「基礎疾患の悪化や老衰をコロナで後押ししている可能性があるが、それだけではない。今後調査や分析が必要だ」

4 

と指摘した。

関連記事→

新型コロナ 第8波へ 新変異株 インフルエンザと同時流行の可能性 一方、感染死”納体袋”取りやめる動きも 「遺体からの感染の可能性低い」

変異株XBB.1.5 アメリカで猛威

 
 アメリカでは新たなオミクロン株の派生型が流行している。「XBB.1.5」というものだ。

  XBB.1.5は、初期のデータでは以前に獲得した免疫を他の変異株のよりも効果的に逃れることが確認されており、公衆衛生当局者の間では、この冬の間に感染の波が起こるのではないかとの懸念が高まっている5

  2022年の12月から23年の1月の第1週までに、XBB.1.5の割合は、アメリカ全土で確認された新型コロナウイルス感染症の陽性例の1%から40%を占めるまでに至る6

 一方で、この株が既存の株よりもどの程度重症化するかどうかを示すデータは、まだない7

 「XBB.1.5はこれまでに見つかった中でもっとも感染力の強い変異株です」

8

 WHO(世界保健機関)の新型コロナ対応技術責任者であるマリア・バン・ケルクホーブ氏は記者会見でそう述べる。

  XBB.1.5は2022年10月末に米国のニューヨーク州とコネチカット州で初めて検出された。以降、少なくとも29カ国で見つかっている。

  現在の全世界の症例でみると5%に満たないものの、これまででもっとも拡大の早い亜系統となると見られている9

2類から5類へ引き下げ 「段階的に」

 
 11日には、新たな動きも。専門家組織が新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを、季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げる場合の、影響や対策をまとめた見解を公表。

  現在の位置付けである2類から5類に引き下げられると、治療費の公費負担や行政による病床確保がなくなる可能性がある。そのため、医療機関の診療体制や逼迫時の入院調整機能などを維持する必要があると指摘。

  結果、

 「段階的に移行することが求められる」

10

 とした。

  現在、新型コロナは患者や濃厚接触者の行動制限など、幅広い措置が可能な「新型インフルエンザ等感染症」に位置付け。

  新たに出された見解では、オミクロン株の出現やワクチンの接種の進展で致死率は下がったものの、感染力が強く死者数も急増していると分析。

 「季節性インフルエンザと同様の対応が可能な疾患となるには時間がかかる」

11

と判断した。一方、

 「5類へ移行すれば、感染を避ける病気ではないといった雰囲気が広がる恐れがある」

12

などの慎重論もあり、専門家会合の中でも意見が割れた。ただ、患者の費用負担が過剰にならないようにする支援や入院調整の必要性があるとの認識では一致したという。

コロナ感染者の葬儀 制限緩和 納体袋不要に

 

 また厚労省と経済産業省は6日、新型コロナウイルスで亡くなった人の遺体の処置や葬儀に関する指針の改定版を公表。これにより、遺体を包む「納体袋」を不要とするなどの制限を大幅に緩和される。

  厚労省が今回、指針の改定を行ったのは、新型コロナで亡くなった人の遺族から、

 「最期の別れができなかった」

 との批判が高まっていたため。

  厚労省が昨年9~10月に全国の火葬場1162施設を対象に行った調査によると、コロナ死亡者の遺族に火葬場への「入場を認めていない」と回答した施設は16%。「入場の人数を制限している」(38%)と合わせ、過半数を超えた。

  厚労省は一部で過剰な対応が取られているとし、改定版では一般の火葬と時間帯や動線を分けたり、拾骨を制限したりすることは不要と明記している13

  そもそもの指針は2020年7月に作成。コロナで亡くなった人の遺体や葬儀の対応について、

・体液に触れないよう納体袋に収容する
・遺体に触れることは控える
・通夜や葬儀は可能であれば開催を検討し、オンラインも推奨する

 などと定めていた。しかし厚労省は今回、遺体からの感染率が極めて低いとの最新の知見に基づいて改定を行う。

  1. 共同、日刊スポーツ「新型コロナ死者数過去最多更新に脇田隆字座長「調査や分析が必要」感染者は前週比1.28倍」2023年1月11日、https://www.nikkansports.com/general/news/202301110001005.html?mode=all 
  2. 共同、2023年1月11日 
  3. 共同、2023年1月11日 
  4. 共同、2023年1月11日 
  5. 文=SANJAY MISHRA/訳=北村京子「日本でも確認、「感染力最強」のオミクロンXBB.1.5について今わかっていること」NATIONAL GEOGRAPHC、Yahoo!ニュース、2023年1月11日、https://news.yahoo.co.jp/articles/2601201b8aca0468925fe5abb0d89745fea8d81e?page=1 
  6. SANJAY MISHRA、2023年1月11日 
  7. SANJAY MISHRA、2023年1月11日 
  8. SANJAY MISHRA、2023年1月11日 
  9. SANJAY MISHRA、2023年1月11日 
  10. 西日本新聞「5類引き下げ「段階的に」」2023年1月12日付朝刊 
  11. 西日本新聞、2023年1月12日 
  12. 西日本新聞、2023年1月12日 
  13. 読売新聞「コロナ感染者の葬儀、制限を大幅緩和…「納体袋」は不要に」msn、2023年1月7日