米国のベネズエラ攻撃は何を意味するのか 「37年後のパナマ」――ベネズエラ介入に見る米国の論理 シェールでは埋まらない現実 米国がベネズエラの石油を欲する理由

中南米
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 トランプ政権がベネズエラの石油資源への関与を手放さなかった理由としては単なる経済利益を超えたエネルギー安全保障上の計算があるという。

 表向き、アメリカはシェール革命によって「エネルギー独立」を達成したとされるが、それは量的側面に限られる。米国の製油所は重質原油の処理に適合しており、軽質のシェールオイルだけでは産業基盤を完全には支えられない。このため、ベネズエラ産を含む重質原油の安定確保は、依然として戦略的課題であり続けている1

 この点で、ベネズエラはシェールでは代替できない「質の資源」を持つ存在であり、米国の関心の核心に位置づけられる。実際、バイデン政権も2023年以降、制裁の部分的緩和や限定的協力を模索しており、理念よりも供給の現実を重視する姿勢へと軸足を移しつつある。

 あるいはベネズエラを巡る動きは、中国・ロシア・イランも絡むエネルギー覇権競争の一部である。米国はベネズエラを自らの供給圏に取り込み中国依存を断とうとするが、国際社会ではアメリカの「資源外交への回帰」や新たな対立要因を生むとして警戒感も強い。

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 ベネズエラへの空爆を契機にささやかれたトランプ大統領による「ドンロー・ドクトリン」は、単なる対中南米政策ではなく、冷戦後の米国外交が世界秩序そのものを再設計しようとしている兆候とも位置づけられる2

1しかし、この軍事介入は、米国がどのような国際秩序を構想しているのかという、より根源的な問いを突きつけた。 2アメリカがベネズエラへの軍事・政治的圧力を強める背景を理解するうえで、37年前の「パナマ侵攻」との比較は比較的有効である。どちらも、麻薬取引に関与した独裁者を「国際犯罪者」と位置づけ、国外で拘束し米国内で裁くという構図を同じくしている。 3ベネズエラは、確認可採埋蔵量で世界最大級とされる約3,000億バレルの原油を有する石油大国である。 4ベネズエラへの空爆を契機にささやかれたトランプ大統領による「ドンロー・ドクトリン」は、単なる対中南米政策ではなく、冷戦後の米国外交が世界秩序そのものを再設計しようとしている兆候とも位置づけられる。 5これはモンロー主義を攻撃的に再解釈し、西半球を米国の排他的勢力圏として再編することで、地域秩序を起点に国際秩序へ影響を及ぼす戦略である。

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  1. 日本のメディアが報じないベネズエラの石油にトランプがこだわる大きな理由 シェール革命では補えないアメリカ人に必須の「ある物」とは?(Wedge(ウェッジ)) – Yahoo!ニュース. (2026). Retrieved 8 January 2026, from https://news.yahoo.co.jp/articles/1ac8ae9f9af20c4f2b0843744e55d9a8645066d8?page=3
  2. トランプ版のモンロー主義である「ドンロー主義」について #エキスパートトピ(鈴木崇弘) – エキスパート – Yahoo!ニュース. (2026). Retrieved 9 January 2026, from https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/d228e0b4ebfbd22be2d5376a04ec93d6fd174c4a
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