Gerd AltmannによるPixabayからの画像
フィリピンから特殊詐欺の指示を出していたとされ4人の日本人から強制送還され、報道が注目を集めている。
これまで特殊詐欺といえば、「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」に代表されるような、言葉巧みに高齢者を騙し、金を奪い取る手口が代表的。しかしここに来て、特殊詐欺グループの手口が極めて凶暴的になった。
その背景について、神奈川新聞の記者であり「ルポ 特殊詐欺」の著者でもある田嶋基氏は、特殊詐欺グループに取り込まれた若い世代の「受け子」や「出し子」たちが、グループのボスや指令役などに多額のノルマを課されて追い詰められた結果だと分析する。
特殊詐欺が一向に減らない理由について、田崎氏は特殊詐欺の一連の流れが、嘘の電話をかける「かけ子」や、被害者から直接現金やキャッシュカードを受け取る「受け子」のように役割が細分化され、その間の連絡にSNSが使われるようになったからであると指摘。
その結果、たとえ受け子が捕まったとしても彼らの上に君臨する指令屋やグループのボスが捕まることは、滅多にないようになったという。
田崎氏は、特殊詐欺を撲滅するためには“厳罰化“が必須であるとする。これまで特殊詐欺は既存の法律の枠組みの中で処理され、詐欺罪や電子計算機使用詐欺罪、窃盗罪などの罪状により“援用“されてきた。
しかし、これでも最長でも10年以下の懲役止まりである。
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