注目される「寒暖差疲労」 チェックシート 日本の住宅特有の問題も 今年度、国は窓の断熱リフォーム補助事業をはじめる

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NoName_13によるPixabayからの画像

 「寒暖差疲労」という言葉が注目を集めている。この時期の、気温の変化が大きくなりやすい季節の変わり目に、注意が必要となる。体温の調整のための自律神経が過剰に働き、疲労がたまる症状が、「寒暖差疲労」だ。

  寒暖差疲労は、コロナ禍でリモートワークが普及したり、外出の自粛が広がり自律神経の乱れやすくなる環境が広がるなか、専門家は注意を呼び掛ける1

 寒暖差疲労は、ここ最近、SNSでも注目されるように。

 「今週の疲労度が半端ない。多分これなのかと…寒暖差疲労の人、他にもいるかな?」

「最近寒暖差疲労とか言うやつで仕事終わって飯食って、22時回ったら寝てしまう。」

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  寒暖差疲労外来があるクリニックに医院の医師によると、私たちの体は、体温を一定に保つため、自律神経が働いて体温を調整しているものの、寒暖差が大きいと、自律神経が過剰に働き、疲労がたまり、結果、「寒暖差疲労」が起きやすくなるという3

  さらにコロナ渦でリモートワークや外出の減少で自律神経が乱れやすくなる人も、寒暖差疲労が起きやすいとした4

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寒暖差疲労チェックシート

  寒暖差疲労外来のクリニックでは、「寒暖差疲労」の度合いを把握するために10項目あるチェックシートを活用している。

 あくまでも目安であるが、このチェックシートになかで当てはまる項目が3つまでだと、軽傷だという。

 寒暖差 チェックシート5

□暑さ、寒さが苦手。

□エアコン(冷房、暖房)が苦手。

□周りの人が暑いのに、自分だけが寒い。長袖が常に手放せない。

□顔がほてりやすい。全身がほてりやすい。

□温度差が強いと、頭痛や肩こり、めまい、だるさ、関節痛、喘息、下痢などの様々な症状がでる。

□熱中症になったことがある、近い状態になったころがある。

□季節の変わり目に、体調不良になる。

□冷え症がある。

□温度が一定の環境にいる時間が長い。(オフィス、自宅でも一日中エアコンをつけている)

□代謝が悪い、体がむくみやすい。
 
※あくまでも目安
 
当てはまる項目が…
 
1~3個 → 軽症
4~6個 → 中症
7以上 → 重症

  症状を改善するためには、具体的にどうすればよいのだろうか。クリニックの医師は自律神経が集中する首回りのケアが有効だという。医師は、

 「この時期冷えるので、お風呂で首までつかって首まわり肩まわりも暖めましょうということが、できるかどうかで変わってくる」

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と話す。

 日本の住宅特有の問題も

 
 寒暖差疲労は、日本の住宅状況の悪さも影響しているだろう。

  平成30年の「住宅・土地統計調査(総務省)」によると、全国にある既存の住宅5362万戸のうち、67.8%(3633万戸)が「すべての窓が一枚ガラス」、14.2%の764万戸が「一部の窓が複層ガラス(二重窓含む)」とあわせて4397万戸(82.0%)が、窓の断熱対策が施されていない住宅であることがわかった。

  つまり日本の住宅の82%が断熱不足である。日本の住宅の断熱対策が不十分な理由は制度面からきているとも。日本の住宅の断熱性能の基準である「省エネ基準」は、諸外国と比べても緩い水準にある。

  しかも、他国では基準への適合が「義務付けられている」のに対し、日本では義務化されていない。

  日本の住宅の断熱化は、都道府県別でみると寒い地方ほど断熱窓の構成比は高い傾向にあるが、しかし1年間を通しての最低気温は、沖縄以外は全国どこでも5℃未満などで、全国どこでも寒いことには変わりない。

  断熱性の悪い家は、夏と冬に家全体を快適な温度に保つことは困難だ。とくに冬の場合、暖房している部屋と暖房をしていない部屋の温度差は20℃以上になることもあり、その場合、命を落とす「ヒートショック」(急激な血圧上昇降下)を起こしかねない。

今年度、国は窓の断熱リフォーム補助事業をはじめる


 今年度、国は窓の断熱リフォームに特化した補助事業をはじめている。電気料金の値上げが続くなか、電気代の節約につながるともされ、窓の断熱性を高めるリフォームが注目。経済産業省と環境省との

 「先進的窓リノベ事業」

 は、窓の断熱リフォーム支援に1000億円の予算を組む。光熱費を削減するとともに、家庭からの二酸化炭素排出量を減らすのが目的だ。自治体の補助事業と併用もできる。

  先進的窓リノベ事業の補助対象となるのは、熱の伝わりやすさを示す数値などが一定の基準を満たすリフォームで、工事の内容により補助される金額が決まる。上限は1戸あたり200万円。

  リクシルの試算によると、大型の窓2カ所と中型窓1カ所に、断熱性のグレードが上から2番目の内窓を設置した場合、リフォームの費用は37万8000円。補助額の合計は22万5000円で、実質の負担金は15万3000円に抑えられる。

  リフォームを実施すると、さらに冷暖房費が抑えられるため、家計の負担はさらに下がるだろう。補助を受けるには、補助事業に登録した業者で工事を行う必要がる。専用サイト7で地域ごとの登録業者を検索できる。

  このほか、外窓交換という方法も。既存の窓枠の内側に新たな枠をはめ込むなどしたうえで、複数のガラスの間に空気の層をもつ「複層ガラス」を設置するやり方もある。

  1. NHK 首都圏ナビ「そのだるさ 寒暖差疲労?症状や治し方 首回りのケアが有効」2022年9月5日、https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20220905b.html
  2. NHK 首都圏ナビ、2022年9月5日
  3. NHK 首都圏ナビ、2022年9月5日
  4. NHK 首都圏ナビ、2022年9月5日
  5. NHK 首都圏ナビ、2022年9月5日
  6. NHK 首都圏ナビ、2022年9月5日
  7. https://window-renovation.env.go.jp/
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