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共同通信社は7月14日~16日に実施した全国電話世論調査によると、東京電力福島第1原発の処理水に関する政府の説明について、「不十分」と回答した人が、全体の80.3%達し、処理水について、国民への理解が十分に進んでいないことが分かった。
また、処理水の放出で風評被害が起きると思うか問うと、「大きな被害がある」が15.8%、「ある程度起きる」が71.6%と、懸念をする声が計87.4%を占めた。一方、政府の説明が「十分だ」との回答は16.1%程度に過ぎなかった。
処理水の放出について、賛成は31.3%、反対は25.6%を割れ、「どちらとも言えない」が43 .1%を占める1。
処理水放出をめぐる政府の説明については、自民党支持層の間でも「不十分」との回答が71.3%を占める一方、「十分である」との回答は25.6%にとどまっている2。
公明党支持層でも、「不十分」が87.2%、「十分だ」が8.4%にすぎなかった。各野党の支持層でも「不十分」が大半を占め、与野党を問わず政府の説明への不満が浮き彫りとなった。
政府と東京電力は2015年、福島県漁連に対し、
「関係者の理解なしにいかなる処分(海洋放出)もしない」
と文書で約束3。全国漁業協同組合連合会(全漁連)も「断固反対」との姿勢を貫く。
一方、国も処理水放出のタイミングを”刻々と”睨んでいる状況だ。8月中旬からは被災3県で地方選が相次ぐ。
岩手県知事選(同月17日告示)と同県議選(同25日告示)は9月3日投開票。10月に宮城、11月に福島の県議選も控える。
放出と選挙期間が近くなれば、放出の是非が争点化する可能性がある。また、首相は今秋以降の衆院解散を視野に入れているとされ、支持率低下につながりかねない。
トリチウムに関する研究は少ないのが実情
三重水素をも呼ばれるトリチウムの分子構造は、水とほぼ変わらない。そのために、人体にそれほど重大な影響は及ぼさないと政府は説明する。しかし、分子生物学者はだかたこそ、トリチウムの危険性を訴える。