映画版「鬼滅の刃」歴代興行収入1位の影で危惧される日本映画界の未来 ~5~ 映画上映スクリーンが足りない!

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OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像 

 日本では約5000スクリーンに対して年間1200本もの映画は公開される。対して、アメリカでは2万スクリーンに対して約700作品ほど。人口1人あたりのスクリーンの数もアメリカの方が1.5倍多い。

 つまり、日本で公開される映画の“大渋滞“が起こっているのだ。

 なぜ、そのようなことが起ったのか。それは映画製作のデジタル化によるものだという。

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映画版「鬼滅の刃」歴代興行収入1位の影で危惧される日本映画界の未来 ~4~ 懸念される映画体験の格差

目次

  • 映画フィルムのデジタル化がもたらしたもの
  • 映画の興行収入のカラクリ
  • 世界の映画チケットの料金は?
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映画フィルムのデジタル化がもたらしたもの

 映画の製作費は撮影の日数に比例する。スタッフの人件費やロケ中の宿泊費や弁当代などが、撮影日数に応じてかかってくる。

 デジタルカメラは従来のフィルムカメラに比べて感度が高いため、多少、周りが暗くても撮影が可能だということ。それにより、屋外で撮影が可能な時間帯が長くなり、それでいて少ない日数で効率的に撮影が可能となった。まず、それがスタッフの人件費の削減をもたらす。

 またデジタルだと、天候が撮影現場の重い通りにいかなくても撮影後のカラーコレクション(色彩補正)でかなりの部分が思い通りになるという。いうなれば、曇天でも晴天にできるし、多少の雨ならデジタル加工で処理できる。これで、従来のような“天気待ち“をしなてよくなったのだ。

 これが撮影期間の日数の削減の主な理由となる。撮影後のポストプロダクション(編集、CGなどの特殊効果)も、デジタル化が進んだことで、映画全体の日数も短くなった。

 撮影期間が短くなれば、出演する俳優の拘束時間も短くて済むので、俳優をブッキングしやすくもなった。これも製作本数の増加の要因となる。

 技術の発達により、安価なデジタルカメラでも劇場公開されるほどのレベルの“画“が撮れるようになり、低予算でも映画をつくることが可能となった。

 フィルムのデジタル化による映画製作のハードルが下がり、劇場公開される作品の本数の増加は世界的に起こっているという。

 しかし、それでもアメリカとは異なるのは、アメリカではハリウッド映画というアメリカ“国産“の映画だけで映画館のスクリーンが埋まるため、アメリカでは外国映画はなかなか入る余地のないことも関係しているようだ。

 それに対し日本では、邦画・洋画の区別が明確に存在し、しかも低予算でつくられる邦画が増加傾向にある。
 

 日本で公開される映画本数の増加は良いことばかりではない。それは、単純に映画1本あたりにかけられる資金、宣伝費や配給会社の人件費が下がってきているからだ。
 

 事実、近年では、映画業界に限らず、映像業界を志望する若い人材は、むしろゲーム業界に流れているという。

映画の興行収入のカラクリ


 映画の興行収入は「チケット代×観客動員数」で計算する。 

 ここで、アメリカの歴代興行収入を見ていこう。

・全米の歴代興行収入ランキング  

1位「スターウォーズ・エピソード7 フォースの覚醒」2015年   

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