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電通への批判が、まさに“底なし沼”の状態であり、留まることを知らない。7月26日には、東京都港区の汐留に位置する電通の本社に、東京地検特捜部の家宅捜査が入る。
今回の捜査は、東京五輪・パラリンピック組織委員会の高橋治之元理事が、大会スポンサーから賄賂を受け取っていたとされる疑惑が発端。
ただ、ことの本質は電通があまりも巨大すぎる存在であり、外部からのチェック機能が働いていないこと。
電通鬼十則に代表される猛烈な営業姿勢や、政官財に加え、スポーツ界や芸能界に張り巡らされたコネクション、そして何と言ってもメディアに対する支配力が電通の力強さの源泉だ。
具体的には、新聞、テレビ、ラジオ、雑誌のマスコミ4媒体の広告市場を支配することで、電通は「日本国のインフラ」といえるまでに、なり上がった。
そもそも海外の広告業界の基本中の基本として、「1業種1社制」というものがある。たとえば、ある広告代理店がトヨタの広告を請け負うなら、同業他社である日産の広告は請け負わないという慣習だ。
これは、代理店を介して機密事項が漏れないようにするためのルールであるが、このことが日本では徹底されていないことも電通の独善性を招いた。
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2003年の秋、日本テレビのある中堅プロデューサーが前代未聞の事件を起こす。「テレビ視聴率買収事件」だ。
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