来年7月26日に開幕するパリ五輪・パラリンピックを1年後に控え、東京オリンピックと同様、”案の定”というべきか、さまざまな問題が浮き彫りになっている。
フランス・オリンピック委員会は5月25日、五輪委員長のブリジット・アンリケ会長は辞任したと明らかに。ロイター通信などによると、オリンピック委員会の元事務総長から、精神的な暴力を受けていたという。
五輪を来年に控えるフランスでは、嫌がらせや性的ハラスメント行為で訴えられたサッカー連盟の会長が2月に辞任するなど、スポーツ界のスキャンダルが後を断たない1。
それでなくとも、世界情勢にともなう物価高による施設建設費も増額、大会予算は、このとき想定されたときから約1割増となる43億8000万ユーロ(約6330億円)となることが、昨年12月の理事会で承認されている2。
ちなみに、当初の予算は、18億70000万ユーロ(約2600億円)であったので3、これで2倍超となった。
パリ五輪をめぐっては、世論調査で5人に4人が「チケット代が高すぎる」と批判。
チケットを申し込み、抽選で当選した人は、三つのイベントの希望する席を同時に購入する必要があったが、多くの競技のチケットは最低でも80ユーロ(約1万1500円)するため、4人家族ですべて観戦しようと思うと1000ユーロ(約14万4000円)近くが必要になる計算に。
当初、主催者は「広く開かれた五輪」をスローガンに掲げ、100万枚のチケットを24ユーロ(約3500円)、さらに全体の半数近くを50ユーロ(約7200円)以下で提供すると宣言していたが、実際にはかなりのプレミアとなってしまったようだ。
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