要約
インドは2026年から16年ぶりの国勢調査を実施し、1931年以来となる包括的なカースト調査も行う。憲法で差別は禁止されているが、依然として教育や雇用に影響が残り、特に下位層は貧困リスクが高い。調査は格差是正策の基礎データ収集を目的としているという。
記事のポイント
- インド政府は2026年から16年ぶりの国勢調査を実施し、1931年以来初となる包括的なカースト調査も行う。
- カースト制度は現在も社会全体に深く根付いており、SCやSTなど下位層は貧困や差別に直面している。
- 調査は格差是正や留保制度見直しに活用され、多面的な社会包摂策の基礎資料となることが期待される。
Summary
India will conduct its first census in 16 years starting in 2026, as well as its first comprehensive caste survey since 1931. Although discrimination is prohibited by the Constitution, it still remains a factor in education and employment, and the lower castes in particular are at high risk of poverty. The survey is said to be aimed at collecting basic data for measures to correct the disparity.
Translated at DeepL
現在、世界最多の人口を抱えるインドでは、2011年以来16年ぶりとなる国勢調査が2026年10月から2027年3月にかけて実施される。インド政府はこれに合わせ、独立後で初めて「カースト(身分制度)」に関する質問項目を設け、カーストについての1931年以来となる包括的な全国調査を行う方針を示した1。
カースト制度は、古代インドの宗教的身分制度「ヴァルナ」や、地域・職業ごとに細分化された「ジャーティ」に起源を持ち、長くインド社会の構造に深く根付いてきた2。憲法ではカースト差別は禁止されているが、現代でも教育、就職、結婚といった日常生活の中でその影響は根強く残っており、特に「指定カースト(SC)」や「指定部族(ST)」と呼ばれる社会的下層の人々は、貧困や排除といったリスクに直面。
今回の調査は、そうした社会集団ごとの人口規模や生活実態を正確に把握し、大学入試や公務員採用における留保制度の見直し、教育・経済支援の強化など、より実効性のある差別是正策の立案につなげることが目的とされている。
一方で、現状、法整備や啓発活動、職業訓練の推進といった多角的なアプローチによって、社会全体の包摂性を高めることも課題であり、改善が求められている。

Amazon(PR)→